アドバンテスト — セグメント詳細
事業セグメント別の売上高・営業利益・利益率の推移(単位:百万円)
セグメント別売上高推移
セグメント別営業利益推移
セグメント別詳細データ(単位:百万円)
セグメント 指標 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026
TestSystemBusiness
売上高 - - - - - - - - - 1,019,380
営業利益 - - - - - - - - - 518,760
営業利益率 - - - - - - - - - 50.9%
ServicesSupportAndOthers
売上高 - - - - - - - - - 109,230
営業利益 - - - - - - - - - 8,758
営業利益率 - - - - - - - - - 8%
半導体・部品テストシステム事業
売上高 101,262 140,864 211,713 197,084 206,031 288,793 404,213 331,542 598,128 -
営業利益 16,652 28,917 65,058 65,155 61,617 105,655 163,186 91,916 244,021 -
営業利益率 16.4% 20.5% 30.7% 33.1% 29.9% 36.6% 40.4% 27.7% 40.8% -
サービス他
売上高 29,496 30,466 31,514 42,517 66,753 85,803 96,104 102,270 108,399 -
営業利益 4,817 4,197 4,242 2,966 10,419 17,813 7,629 -2,828 -10,914 -
営業利益率 16.3% 13.8% 13.5% 7% 15.6% 20.8% 7.9% -2.8% -10.1% -
メカトロニクス関連事業
売上高 25,158 35,893 39,229 36,293 40,005 42,305 59,874 52,695 73,180 -
営業利益 -1,529 -2,738 -712 -497 4,955 6,101 14,964 9,171 16,786 -
営業利益率 -6.1% -7.6% -1.8% -1.4% 12.4% 14.4% 25% 17.4% 22.9% -
合計売上高 155,916 207,223 282,456 275,894 312,789 416,901 560,191 486,507 779,707 1,128,610
事業の内容

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」という。)の企業グループ(以下「当社グループ」という。)は、テストシステム製品群とテストハンドラやデバイスインタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発及び保守・サービス等の事業活動を展開しております。

 当社グループの報告セグメントは、従来、「半導体・部品テストシステム事業」、「メカトロニクス関連事業」、及び「サービス他」の3つを報告セグメントとしておりましたが、テスタのみならず周辺機器等を含めた包括的なテストソリューションの提供を目指す中で、マネジメントアプローチの視点により当社グループにおける収益の源泉を再分類し、当連結会計年度より、「テストシステム事業」及び「サービス他」という2つの報告セグメントへと変更いたしました。

(テストシステム事業部門)

 テストシステム事業部門は、SoC半導体デバイス向けのSoCテストシステム、メモリ半導体デバイス向けのメモリテストシステム、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテストハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイスインタフェースなどの製品群及び半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューションを事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社及び複数の外部委託企業等が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内及び一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. 及び Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbH及びAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、ナノテクノロジー関連の製品群、サポート・サービス及び消耗品販売等で構成されております。

 当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば以下のとおりであります。

事業系統図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当社(アドバンテスト)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究開発、製造、

 

 

 

 

 

 

 

 

販売、保守会社

 

 

 

 

 

 

 

 

Advantest America, Inc.

Advantest Korea Co., Ltd.

 

 

Essai, Inc.

 

 

 

 

Advantest Europe GmbH

Advantest (China) Co., Ltd.

 

 

 

 

 

 

 

Advantest Taiwan Inc.

Advantest (Singapore) Pte. Ltd.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Advantest Test Solutions, Inc.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テストシステム事業部門

 

サービス他部門

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記以外に連結子会社が31社あります。

連結子会社(国内5社、海外34社、合計39社)

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、SoC半導体デバイス向けのSoCテスト・システム、メモリ半導体デバイス向けのメモリ・テスト・システムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

 当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば以下のとおりであります。

事業系統図

0101010_001.png

 上記以外に連結子会社が31社あります。

 連結子会社(国内7社、海外32社、合計39社)

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

0101010_001.png

 上記以外に連結子会社が26社あります。

 連結子会社(国内7社、海外33社、合計40社)

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

0101010_001.png

 上記以外に連結子会社が25社あります。

 連結子会社(国内8社、海外31社、合計39社)

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

0101010_001.png

 上記以外に連結子会社が23社あります。

 連結子会社(国内7社、海外30社、合計37社)

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

0101010_001.png

上記以外に連結子会社が16社あります。

連結子会社(国内7社、海外23社、合計30社)

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステムの製品群、テスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連、システムレベルテストの製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発およびサポート・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古品販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

 当社の企業グループにおける主要な関係会社の事業の系統は、概ね次の図のとおりであります。

0101010_001.png

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3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステムの製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外注先が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社およびAdvantest Europe GmbH等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外注先で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、SSDなどのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、中古品販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

 当社の企業グループにおける主要な関係会社の事業の系統は、概ね次の図のとおりであります。

0101010_001.png

0101010_002.png

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステムの製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外注先が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest (Singapore) Pte. Ltd. およびAdvantest
Taiwan Inc.等が担当しております。

 開発活動は、当社およびAdvantest Europe GmbH等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外注先で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、SSDなどのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、中古品販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

 当社の企業グループにおける主要な関係会社の事業の系統は、概ね次の図のとおりであります。

0101010_001.png

0101010_002.png

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステムの製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、主に当社および外注先であるマレーシアのJabil社が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest (Singapore) Pte. Ltd. およびAdvantest
Taiwan Inc.等が担当しております。

 開発活動は、当社およびAdvantest Europe GmbH等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動および販売活動は、半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、サポート・サービスおよび機器リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

 当社の企業グループにおける主要な関係会社の事業の系統は、概ね次の図のとおりであります。

0101010_001.png

0101010_002.png

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステムの製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、主に当社および外注先であるマレーシアのJabil社が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest (Singapore) Pte. Ltd. およびAdvantest
Taiwan Inc.等が担当しております。

 開発活動は、当社およびAdvantest Europe GmbH等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動および販売活動は、半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、サポート・サービスおよび機器リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

 当社の企業グループにおける主要な関係会社の事業の系統は、概ね次の図のとおりであります。

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事業等のリスク

3【事業等のリスク】

(1)当社グループのリスクマネジメント

①リスクマネジメントの位置づけ

 前述のとおり、半導体市場の拡大に加えて半導体の複雑性への対応が業界における構造課題となる中、当社グループの事業機会は中長期的に拡大するものと考えています。

 一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、技術革新の加速、事業のグローバル化、地政学的・規制環境の変化、社会からのESG要請の高度化などにより、不確実性が常態化しています。

 こうした環境下において当社グループは、リスクマネジメントを、単なるリスク把握や不祥事防止にとどまらず、経営判断の質を高め、事業の継続性と中長期的な価値創造を支える基盤として位置づけています。

②リスクマネジメントに対する考え方

 当社グループでは、コーポレート・ビジョンである「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ(Be the most trusted and valued test solution company in the semiconductor value chain)」の体現を阻害する要因をリスクファクターと定義し、その低減を図ることにより中長期的な企業価値向上を目指しています。

 その中でも、各国法令及び企業理念「The Advantest Way」に反する行為については、当社グループの価値基盤を毀損するものとして許容しない(ゼロトレランス)方針を採っています。他方で、戦略目標の達成及び価値創造に資するリスクについては、許容可能な範囲を踏まえつつ、各ステークホルダーからの期待を経営会議における検討を通じて成長施策に落とし込み、当社として中長期的にありたい姿を実現することを重視しています。

③リスクマネジメント体制

 当社グループのうち、グループ経営に重要な影響を及ぼし得るリスクについては、グループ全体戦略やグループ横断施策の方向性に関する議論の一環として経営執行役員が直接関与し、経営会議において対応方針及び対応状況を継続的にモニタリングしています。

 ユニットレベル(各本部・事業部門及び主要な海外拠点)における事業遂行上のリスクについては、各ユニットが事業特性や環境に応じたリスクマネジメントを実施し、その状況を内部統制委員会が全社横断的な視点からモニタリングしています。

 さらに、重要性が高いと判断した事項については、必要に応じて取締役会に随時報告し、取締役会による監督のもとで適切に対応しています。

(a) 全社的リスクのマネジメント

当社グループでは、価値創造に向けた戦略と企業価値に影響を与える主要リスク管理を相互に照合するアプローチにより、マクロ環境・市場環境の変化から各国法令・規制対応まで、また短期から長期まで、主要なリスクを幅広く認識することに努めています。これらのリスクは経営会議等において定期的に見直すとともに、リスクそれぞれに対応方針及び対応責任者を定めています。また対応方針に沿って担当部門が機動的にリスク低減策を実施し、その進捗を経営会議において継続的にモニタリングしています。

(b) ユニットレベルのリスクマネジメント

中期経営計画や事業進捗を踏まえ、各ユニットは年次の事業目標を立案し、その達成を阻害する可能性を有する事象をユニットレベルのリスクとして特定し、その低減に努めています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を年2回、内部統制委員会に報告し、内部統制委員会はその内容を確認の上、必要に応じてフィードバック及び改善提案を行っています。

(c) 有事のリスク対応

緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部が迅速かつ機動的な対応を通じて事業継続を図る体制としています。これにより、自社における損失低減とステークホルダーへの影響の最小化に努めています。

 当社グループは、上記の体制でリスクマネジメントを実施しておりますが、世界政治・経済の動向、地政学的リスク、各国の政策・規制動向等を含め、当社グループを取り巻く事業環境は、従前以上に複雑さと不透明さを増しています。そうした環境を踏まえ、当社グループは、有事の際の即応性に加え、事業継続の観点から、財務基盤、人財、知的財産、サプライチェーン等の重要な経営資源の保全を含めたリスクマネジメント体制のさらなる高度化に取り組んでまいります。

(2)事業等のリスク

①リスクユニバース

 当社グループでは、コーポレート・ビジョンの体現を阻害するリスクファクターを一元的に整理した、「リスクユニバース」を策定しています。リスクユニバースは、マクロ経済、業界動向、法規制、ステークホルダーの期待等の情報を踏まえて構成しており、内部要因・外部要因を問わず、当社グループが認識するリスクを体系的に整理したものです。また、変化の激しい事業環境を踏まえ、当面は発生確率が低いと見なされるものの大きな影響を及ぼし得る極端リスク(エクストリームリスク)についても、リスクユニバースに包含し、有事への備えの強化に努めています。

1. 戦略的リスク

a.市場変動

b.顧客からの信頼

c.政治・地政学

d.成長投資

e.顧客
ポートフォリオ

2. オペレーショナルリスク

3. 財務リスク

4. 法務・コンプライアンス・
グループガバナンス・
知的財産権リスク

a.情報セキュリティ及び
業務効率

b.サプライチェーン

c.製品ライフサイクル

d.自社の事業継続

e.人財

a.為替変動

b.信用格付

c.税務

a.人権・ハラスメント・DEI*

b.倫理及びコンプライアンス

c.責任ある事業運営

d.貿易管理

e.グループガバナンス及び内部統制

f.知的財産権

g.訴訟

*DEI: Diversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性及び包摂性)

②記載方針

 本「(2)事業等のリスク」では、このリスクユニバースに基づき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを記載しています。

 各リスクについては、発生する可能性が高い時間軸を短期・中期・長期のいずれかに区分した上で、発生した場合に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与え得る影響を踏まえて影響度を評価しています。その結果、短期又は中期に顕在化する可能性があり、かつ顕在化した場合に当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を与える可能性を有すると思われるリスクに「※」を付与しています。

 ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載順は発生確率や重要性の高低を示すものではありません。また文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

③リスクファクター

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりです。

1. 戦略的リスク

a. 市場変動 ※

半導体設備投資水準の変動により、当社グループの業績及び将来業績に大きな影響が生じる可能性

 当社グループは、世界中の半導体関連企業を顧客としているため、業界全体における半導体設備投資水準の変動の影響を直接的に受けやすい事業構造となっています。半導体需要は最終製品の需要動向や技術進化ペース、世界経済の動向や地政学的要因等に応じて変動し、さらに半導体の設備投資水準は、半導体の需給バランスの将来見通しに加え、半導体メーカー間の技術競争や半導体メーカーの事業戦略等、様々な要因の影響を受けます。そのため半導体の設備投資は、その時期と規模が当初の構想から逸れた、流動的なものとなる傾向が強く、このことが半導体製造装置メーカーである当社グループの事業環境の不確実性を高めています。

 こうした環境下において、半導体需要が減速した場合には、顧客による設備投資が先送りされ、当社グループの業績が悪化する可能性があります。市場が急速かつ大幅に悪化した場合は、顧客の設備投資は抑制されるとともに、売上債権の回収リスクが拡大する可能性があります。一方、半導体市場が急拡大する局面において、当社グループの製品・サービス供給能力の改善が需要の伸びに追従できなかった場合、販売機会の逸失や顧客からの信頼の低下を通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、開発フェーズから量産フェーズまで、半導体のテスト需要を網羅する製品ポートフォリオの構築や、リカーリング商材を含むサービス事業の強化を通じて、半導体及びその関連装置市場の変動影響の緩和を図っています。

 あわせて、半導体市場の動向や技術トレンド、試験装置需要見通しの継続的な把握を通じて、市場変動への対応力向上に努めています。これらを踏まえ、サービスエンジニアや開発エンジニアの人員配置についても、機動的な最適化を図っています。販売プロセス、サプライチェーン管理及び製販間の連携については、デジタルツールの活用等を通じて改善を進めているほか、与信管理及び売上債権回収リスクについても適切な管理に努めています。

 さらに、当社製品の需要が急峻に増加した場合の供給対応力を高めるため、また中長期的な需要増加見通しを踏まえ、戦略的な在庫バッファの保有及び計画的な生産キャパシティの増強に取り組んでいます。

 財務面においては、半導体及びその関連装置市場の変動が短期間で複合的に顕在化する可能性がある事業環境を前提として、コスト構造の変動費化、資金調達枠の確保に係る契約の締結、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等を通じ、半導体市場の減速局面における業績の下方耐性強化及び財政健全性の確保に平時より取り組んでいます。

b. 顧客からの信頼 ※

顧客対応が顧客の期待水準に達しない場合、当社グループに対する信頼が低下し、取引の継続や成長機会獲得が制約される可能性

 当社グループが事業を展開する半導体製造装置市場は、技術革新のスピードが速く、顧客からは高い技術対応力や開発スピードに加え、顧客の新デバイスの量産立ち上げ段階における安定的なサービス能力や、導入後の継続的なサービス体制が求められています。このような環境下において、当社グループが顧客の期待に十分応える製品・サービスをタイムリーに提供できない場合、又は顧客の新デバイスの量産立ち上げに対する当社サービスが計画どおりに機能しない場合、若しくはポストセールスにおけるサービスが十分に提供できない場合、顧客からの評価と信頼の低下を招く恐れがあります。

 顧客からの信頼が十分に確保されない状況が長期化した場合、既存顧客における取引継続や取引拡大が困難になるほか、新たなプロジェクトや次世代技術領域において当社製品・ソリューションが採用されにくくなる可能性があります。その結果、当社の市場シェアの維持・拡大が制約され、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。

 当社グループの主要な競合企業は、半導体テスタ市場においては、Teradyne, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest)、YC Corp.、Cohu, Inc.、UniTest Co., Ltd. 及び EXICON Ltd. 等があります。テストハンドラでは、Hon. Precision, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Cohu, Inc. 及び TechWing, Inc. 等、デバイスインタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Inchange Semiconductor Company Limited(ISC) 及び BeLINK Co., Ltd. 等と競合しています。

〈リスク低減のための取り組み〉

 顧客からの信頼を維持・向上させる基盤として、当社グループは、技術理解力及び顧客対応力の強化に取り組んでいます。具体的には、主要顧客と将来のテスト・ソリューションに関する技術情報交換の機会を設けることで、次世代半導体の技術、製品仕様、将来の顧客課題、及び顧客課題を解決するテスト・ソリューションの洞察に努めています。さらに、長期を見据えた要素技術の基礎研究や次期自社製品の量産技術の開発を並行して進めることで、顧客の期待に応える製品・ソリューションをタイムリーに提供する体制を構築しています。

 また、顧客対応力を高めるためには、顧客のニーズをより的確に捕捉する能力の涵養と、汲み取ったニーズをソリューション提案として具現化する能力の実装が、ともに不可欠です。当社グループにおいて顧客に対し最も密な対応が求められるシステムエンジニア(SAE)に対しファシリテーション能力強化研修を実施しているほか、AIを活用した顧客対応能力や製品開発能力の拡充も推進しています。

 これらの取り組みを通じ、当社グループは、半導体テスタを核とした当社のテスト・ソリューションの価値を、これまでより広い範囲の半導体バリューチェーンですでに訴求し始めています。直近事例としては、シリコン検証を自動化する画期的なソリューション「SiConicTM」の提供を開始しています。またプローブカード・メーカーやプローバ・メーカーなどの外部パートナーとの協業や技術提携を通じて、顧客課題を解決する新たな製品・ソリューションの開発に取り組んでいるほか、サービスの充実にも取り組んでいます。

 これら製品・ソリューション群を拡充する取り組みを通じ、顧客製品の品質・信頼性向上や顧客の設計・製造オペレーションにおける生産性向上により多くの貢献を果たすことで、今後も業界で顧客から最も厚い信頼を寄せられる企業となることを目指しています。

c. 政治・地政学 ※

地政学的緊張や経済安全保障を背景とした各国の規制環境の変化により、当社グループの調達・製造・販売等の事業活動が制約を受ける可能性

 当社グループは、世界各地において部材調達、製品の製造、販売及び保守サービス等の事業活動を展開しており、これらの遂行は各国・地域の政治・経済情勢や規制環境の影響を受けます。特に半導体製造装置は、国際的なサプライチェーンに依拠して事業が成り立っていることから、地政学環境の変化が事業活動に及ぼす影響は相対的に大きい特性があります。

 近年、国際的な地政学的緊張の高まりや地域紛争の発生、経済安全保障を重視した政策の強化等を背景に、主要国において輸出管理規制や投資規制、先端技術に関する管理の厳格化が進展しています。当社グループが取り扱う半導体製造装置及び関連技術についても、各国の産業政策や国家安全保障上の観点から規制の対象となる可能性があり、こうした規制や政策動向の変化によっては、当社グループの事業運営、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば以下のような事象を通じて顕在化する可能性があります。

 - 特定の国・地域に対する製品、技術、又は保守サービスの提供について、法令等に基づき制限又は禁止される場合

 - 原材料や主要部材の調達先における政情不安、貿易制限措置その他の外部要因による調達コストの上昇、供給の遅延・停止が生じる場合

 - 各国当局による投資規制、買収・出資に関する審査の厳格化、関税の引き上げ、又は現地での事業運営に影響を及ぼす制度変更等が行われる場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 地政学的リスクの高まりに伴い、各国における貿易・投資・技術管理に関する規制環境が変化する可能性に備え、当社グループは、事業活動への影響を適切に把握し、必要な対応を講じています。

 具体的には、関税、輸出管理規制、経済制裁等に関する動向について、信頼性の高い情報源を活用し、地政学動向を継続的にモニタリングしています。また、地政学的リスクが事業に与える影響を多面的に把握するため、地域別のリスクを踏まえたシナリオ分析を行い、事業への影響を評価しています。

 さらに、業界団体や専門委員会等への参画を通じて、半導体産業を取り巻く政策動向や規制議論に関する情報収集及び意見交換を行うとともに、半導体産業に対する過度な規制の回避や影響の低減に向けた取り組みを行っています。

d. 成長投資

成長投資において想定した成果が十分に実現せず、中長期的な企業価値の向上が制約される可能性

 半導体市場では、設計の大規模化、製造加工精度の向上、デバイス構造の高度化などの手段を通じ、デバイスの性能向上やコストパフォーマンス最適化に向けた取り組みが日進月歩で進捗しています。また、半導体メーカーの生産能力増強投資も旺盛に行われています。

 変化の激しいこのような環境下、当社グループは、将来の業界トレンドや顧客のテストニーズの変化に先駆的に対応するために、研究開発や、製品出荷能力を含めた顧客対応能力の強化など、有形・無形の成長投資を継続的に実施しています。しかし当社グループが業界の方向性を的確に予測及び対応できず、顧客にとって価値のある試験・計測ソリューションを、顧客が求めるタイミングとボリュームで提供できなかった場合、当社の競争力が低下する可能性があります。またこのような事象が継続した場合、価格競争の激化や製品・ソリューションの販売機会が減少し、過去の投資を回収することができない、又は回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが実施する成長投資には企業買収や資本業務提携なども含まれますが、これらの投資において、当初想定したとおりの事業上又は技術上のシナジーが創出されない可能性があります。企業買収により生じたのれん及び無形資産においては、利上げなどの様々な要因に伴い割引率が上昇する場合、あるいは期待されるシナジーを出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、今後当社が有すべき技術若しくは事業ポートフォリオ、ビジネスモデル、オペレーティングモデルの方向性を、業界におけるテクノロジー・リーダー企業や有識者とのコミュニケーションを通じて把握することに努めています。また得られた知見をもとに、“Automation of Test”をキーワードとした提供ソリューション群の革新、近縁市場における成長機会の具体化、新たな半導体関連の事業領域の探索等、事業と収益源の拡充につながる取り組みを行うことで、当社グループの中長期的かつ持続的な発展に努めています。

 さらに、投資判断プロセスにおける規律を整備することでも、投資計画の精度向上及び投資リスクの低減を図っています。特に研究開発投資は、将来の事業成長性と事業収益性を左右する重要な投資であり、顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定とそれに基づく人員計画の策定、製品のプラットフォーム化等による開発効率向上、ROICベースの投資効果予測と判断等により、投資回収率の向上と投資リスクの軽減を図っています。企業買収や資本業務提携についても、投資効果予測の他、対象企業の技術優位性、当社グループのコアコンピタンスとの整合性、企業カルチャーの親和性等を総合的に検討した後に投資判断を行っています。

e. 顧客ポートフォリオ ※

売上高において上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、大口顧客の投資判断や取引関係の変化が当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性

 当社グループの売上高は、半導体製造装置市場の特性と過去の販売努力の結果、特定の大口顧客が占める割合が相対的に高い構造となっています。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約48%及び当連結会計年度の同約50%を占めています。このように売上高に占める上位顧客の集中度が高い状況において、個別顧客の事業動向や購買方針等の変化が当社グループの業績に与える影響は、場合によっては市場全体の変化率よりも大きくなる可能性があります。このため、上位顧客の事業戦略や設備投資計画に変化が生じた場合、あるいは大口顧客との取引関係が縮小又は終了した場合は、当社グループの業績にその影響が短期間で顕在化する恐れがあります。

 また、半導体産業においては、次世代技術や次世代デバイスの市場創出に関与する多様なプレーヤーとの関係構築が、中長期的な成長機会の獲得において重要です。当社グループがこうした外部との連携や情報アクセスを十分に確立できない場合、将来的に有望な顧客や事業機会への関与が限定され、競争優位性の中長期的な確立が難しくなる可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、顧客ポートフォリオに起因する業績変動リスクを低減するため、既存顧客とのさらなる関係強化と将来の成長機会へのアクセスの両面から、収益機会の多様化と収益の安定拡大に努めています。

 具体的には、既存顧客の満足度をさらに引き上げるべく、顧客ごとの中長期的な技術動向や事業戦略、設備投資計画に対する理解を継続的な対話を通じて深め、さらにそれらに対する適切な対応を行っています。あわせて、規模の大小を問わず多様な顧客の成長を支援する観点から、既存顧客に加えて将来の重要顧客に対しても専任体制の構築を含むサービス体制を整備し、顧客ごとの課題やニーズに応じたきめ細かなサービスの提供を通じて当社グループへの信認拡大に取り組んでいます。さらに顧客基盤の拡大に向け、成長が期待されるインド等の市場において現地法人のオペレーション体制を強化したほか、一部地域で外部パートナーとの戦略的な提携を通じ、有望顧客や新たな成長機会へのアクセス強化に取り組んでいます。

2. オペレーショナルリスク

a. 情報セキュリティ及び業務効率 ※

 当社グループでは、ITが事業活動の基盤となっています。ITシステム及びそれらを活用した業務オペレーションにおいて、十分な正確性、可用性、安定性、安全性が確保されない場合、当社グループの競争力、業績、及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、当社グループの事業運営に支障が生じる可能性があります。

 - サイバー攻撃、インフラ障害、又はIT障害により、基幹システムや主要なクラウドサービス等が停止又は性能低下を起こし、受発注・生産・出荷・請求・代金回収等の業務が中断することで、納期遅延や売上の減少、復旧コストの増加が生じる場合

 - 現職又は元従業員の不正や誤謬、サイバー攻撃、その他類似の事象を通じ、当社グループの技術情報、知的財産、顧客情報が外部に持ち出される、又は漏洩する場合

 - ITシステムやソフトウエア更新、AI技術の活用が遅滞し、それに付随して業務プロセス効率化が十分に進まない場合。また、AI技術の利用が新たなリスクをもたらす場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、情報セキュリティ対策の継続的な強化に取り組むとともに、業務オペレーションのデジタル化を通じて業務効率の更なる向上を図っています。

 情報セキュリティ及びIT基盤の強化については、情報セキュリティ・マネジメント・システムを整備し、リスク管理、法令遵守及び社内規程の運用状況について継続的な見直しを行っています。また、重大なサイバー攻撃やインフラ障害に備え、ITシステムの予防的な管理を行うとともに、グローバルなセキュリティ監視体制を整備し、インシデント発生時の事業への影響の回避又は最小化に努めています。

 サイバー攻撃リスクへの対応としては、常時監視による脅威検知の強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた役員及び従業員のリテラシー向上に取り組むとともに、Advantest CSIRT*を整備し、情報セキュリティインシデントに対する初動体制を確立しています。事業継続性及び業務運営の安定性確保の観点からは、コアプロセスと関連するITシステムを洗い出し、障害時にも業務を継続できる仕組みの構築や、新しいITシステムやツールへの代替を推進しています。

 2026年2月に発生したサイバーセキュリティインシデントを受け、当社グループはセキュリティ強化のための一定の施策を実施しました。さらに、当社グループは、本インシデントから得られた教訓及び外部専門家の知見を踏まえ、セキュリティロードマップの見直し、改善、及び加速を含む、情報セキュリティ体制のより広範な強化を進めています。具体的には、予防・検知・対応の各領域における能力強化に向けた施策を実施しており、これら施策の適時性、正確性、及び有効性の向上に重点を置いています。重点領域には、ネットワークセキュリティ、アイデンティティ及びアクセス管理、エンドポイント保護、クラウド及びアプリケーションセキュリティ、並びにセキュリティオペレーションが含まれます。これらの取り組みを通じて、当社グループは、情報セキュリティ体制のレジリエンスを強化し、安定的かつ継続的な事業運営を支えるとともに、顧客をはじめとするステークホルダーからの信頼の維持を図っています。

 AIは、他の多くの技術と同様、社会に大きな便益をもたらすと考えられています。当社グループは、AIの効果的な活用を通じて自社の業務効率を向上させる施策を実施することにより、持続可能な社会の発展に貢献するとともに、顧客のイノベーションをさらに支援することを目指しています。他方で、当社グループは、AIの利用には、偏った出力、不正確又は誤解を招く出力、データプライバシーに関するリスク、及び自動化された意思決定への過度の依存といった、内在リスクが伴う可能性があることを認識しています。これらのリスクに対処するため、当社グループは、AIポリシーに沿ったAI利用に関するガバナンス体制及び利用ガイドラインを定めています。この枠組みのもとで、当社グループは、適用される法令並びにデータ管理に関する社内ポリシーの遵守を確保しつつ、AI技術の適切かつ責任ある利用を推進しています。さらに、AIの開発及び利用において、倫理的配慮及び人による監督を組み込むための取り組みを実施しています。これらにより、当社グループにおけるAI利活用の取り組みが、業務効率の向上にとどまらず、社会への有益な貢献とステークホルダーからの信頼維持に資することを目指しています

*CSIRT: Computer Security Incident Response Team

b. サプライチェーン ※

 当社グループは、製品をタイムリーに提供するため、部品・材料の調達から製品製造・物流まで、サプライヤー各社やアウトソース先企業と協業しながらサプライチェーンを編成しています。当社グループのサプライチェーンにおいて供給の安定性や柔軟性が十分に確保されない場合、当社グループの事業運営、競争力及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 天災に伴うサプライチェーン寸断、サプライヤーの事業悪化、物流の逼迫や混乱、自社及びサプライヤーの供給能力を超えた当社製品需要の急伸等により、必要な部品、材料、生産スペース、人的リソースを確保できず、製品供給の遅延又は停止が生じる場合

 - 当社製品需要や生産・調達計画等の不整合により、過剰在庫や陳腐化が発生する場合

 - サプライチェーンにおける人権・環境・コンプライアンス上の問題の発生により、調達断絶や取引停止が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 主要サプライヤーにおける供給停止・寸断に備え、重要サプライヤーの事業継続計画(BCP)の確認や見直しを行うとともに、緊急時の代替供給ルートの検討、連絡・情報共有のプロトコル整備を行っています。あわせて、複線化を含めたサプライチェーンのグローバル最適化や、製品供給能力強化に向けたサプライヤーに対する様々な支援を通じ、当社グループ全体にわたるサプライチェーン強靭化施策を展開しています。

 また当社製品の供給リードタイムをより安定的なものとするため、生産能力の拡張に加え関連部門が連携し、需要予測や生産・調達計画の高度化、在庫水準の適正管理を進めています。さらに、一部の材料・部品について、調達の安定化のために長期調達契約を締結しているほか、前工程加工を済ませたウェーハの状態で備蓄する「ダイバンク」等で中間品を確保することを通じて、供給の安定性向上を図っています。

 サプライチェーンにおける人権、環境及びコンプライアンス上の課題については、当社の事業運営に影響を及ぼすことを認識し、サプライヤーに対する当社の方針を伝達し、必要に応じて改善要請や対話を行うことで、調達断絶や取引停止等のリスク低減に努めています。

c. 製品ライフサイクル

 当社グループは、事業活動の一環として、将来の市場や顧客ニーズに対応した製品の企画・開発、現行製品の改良、製品の品質管理など、一連の製品ライフサイクル管理を行っています。これらの取り組みが十分に機能しない場合、製品競争力や収益性が低下し、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 市場・顧客インサイトの把握不足や組織横断連携の不十分さにより、顧客が求める性能や機能を備えた次世代製品の投入が遅れる、あるいは失敗する場合

 - 顧客要件、各国法規制、各種指令等への対応に必要な開発リソースを十分に確保できず、開発遅延が生じる場合、あるいは競合他社に技術的に先行され製品競争力を失う場合

 - 市場動向、競合環境、製造原価、開発コストを踏まえた価格設定が不適切なために収益性が低下する場合

 - 製品の性能、品質又は信頼性が顧客の要求水準を満たさない場合や、製品に欠陥が生じ、また製造物責任賠償保険によって損害が十分に補償されない結果として、出荷停止、納期遅延、事故発生、顧客対応費用の増大や損害賠償を請求されるなどする場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 製品ライフサイクル管理に起因する競争力低下や収益性悪化のリスクを低減するため、当社グループは、市場・顧客ニーズを的確に捉えた製品企画から、研究開発、量産、品質管理に至るまでの一連のプロセスの強化に取り組んでいます。

 具体的には、顧客との対話を通じ、市場動向、顧客ニーズ、競争環境に関する現在及び将来見通しの継続的な把握に努めるとともに、これらの情報に基づいた研究開発体制の整備や人財・スキルの確保を中長期的に進めています。「6.研究開発活動」に記載のとおり、当社グループは多様な分野で研究開発活動を推進していますが、中長期的な研究開発テーマを定期的に見直していくことで、付加価値の高い次世代製品を、常にタイムリーに市場投入することに努めています。

 また、市場・競合・コスト等を踏まえた価格設定を行うとともに、需要予測と生産・調達計画の整合、在庫の適正管理を推進することで、製品ライフサイクル全体を通じた収益性の確保を図っています。

 加えて、製品の安全性及び信頼性を確保するため、ステージゲートシステム等のプロジェクト管理手法を運用し、各開発フェーズにおいて品質を含む定期的な開発レビューを行っています。あわせて、生産過程において様々な品質確認に加え、品質保証部門によるクロスチェックにより品質の安定化に努めています。

d. 自社の事業継続 ※

 重大な事故、自然災害、その他の危機事象が発生した場合に、事業継続に支障を来し、当社グループの業績及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 危機事象発生時における事業継続計画(BCP)や、緊急時の指揮命令・対応体制の不備により、初動対応や復旧対応が遅延し、操業停止や関係当局・顧客対応の混乱等が生じる場合

 - 自社拠点における危機事象発生時に、資産の保全・適切な処理を行う体制、並びに指揮命令系統が機能せず、操業や事業継続に支障を来す場合

 - 危機事象発生時における役職員の安全確保に関する責任や対応体制が不明確なために、初動対応の遅延や情報混乱が生じ、人身安全リスクや操業停止の長期化につながる場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 重大な事故、自然災害等の危機事象が事業運営に与える影響を抑制するため、当社グループは、BCP及び事業継続マネジメントの整備・運用を通じて、危機対応力の向上に取り組んでいます。

 具体的には、各拠点における危機対応手順や指揮命令系統を明確化するとともに、危機事象発生時の初動対応、復旧対応及び操業継続が円滑に行われる体制の構築に努めています。また、拠点における資産の保全及び適切な処理に関する体制を整備し、操業停止や事業中断が生じた場合においても、その影響を最小限に抑えることに努めています。さらに、役職員の安全確保を最優先事項として位置づけ、責任体制を明確化するとともに、訓練や検証を通じて、危機発生時における対応の遅延や情報混乱を防止し、事業及び信用への影響低減に取り組んでいます。

e. 人財 ※

 事業戦略の遂行や競争力の維持・向上において、必要な人財の育成、配置及び経営体制の継続性が重要な要素となっています。これら人財に関する取り組みが十分に機能しなかった場合、当社の競争力及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 人財の育成・定着やリスキリングが十分に進まず、イノベーション力や労働生産性、従業員エンゲージメントが低下する場合

 - 経営層・主要幹部の不測の不在やサクセッションプランの不備により、経営の安定性や意思決定の継続性が損なわれる場合

 - 人財獲得の停滞や人員計画の不備により、成長領域への人財配置が適切に行えず、競争力や労働生産性が低下する場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 人財に起因する競争力低下や事業運営への影響を低減するため、当社グループは、人財の育成・定着及びリスキリングを重要な経営課題として位置づけ、計画的な人財育成施策や学習機会の提供を通じて、イノベーション力及び労働生産性の向上に取り組んでいます。また、経営層及び主要幹部の不測の事態に備え、サクセッションプランの策定・運用を進め、経営の安定性及び意思決定の継続性の確保に努めています。さらに、戦略や中長期的な成長領域を踏まえた人員計画のもと、成長領域への適切な人財配置や人員獲得を通じて、競争力及び労働生産性の維持・向上を図っています。なお、当社グループの人的資本強化に向けた取り組みは、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本」に記載しております。

3. 財務リスク

a. 為替変動 ※

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の97.8%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約75%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 為替変動が業績及び財政状態に及ぼす影響を抑制するため、当社グループは為替リスク管理に関するガイドラインを策定し、保有通貨のバランス調整や、為替予約取引等の金融商品を活用したヘッジを行っています。また、外貨建て金融資産及び負債が相殺されるようなバランスシート管理を通じて、為替変動による影響の低減に努めています。

b. 信用格付

 当社グループでは、事業運営及び成長投資に必要な資金について、営業活動により創出されるキャッシュ・フローを中心に対応する一方、企業買収や急激な経済環境の変化等に備え、かつ資本効率性に鑑み、社債の発行や金融機関からの借入等を行う場合があります。

 当社グループの信用格付が引き下げられた場合や金融市場が不安定化した場合には、資金調達コストの上昇、調達条件の悪化、又は必要なタイミングでの資金調達が制約される可能性があり、これらを通じて当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 信用格付の維持及び資金調達環境の安定を図るため、当社グループは安定的な収益力の確保及び健全な財務基盤の維持に努めています。資本構成、キャッシュ・フロー及び負債水準等について継続的なモニタリングを行うとともに、事業計画及び投資判断において財務規律を重視しています。また、資金調達枠の契約により、十分な流動性を確保するとともに、資金調達が必要となった場合には速やかに実行できる体制を構築しております。これにより、資金調達コストの上昇や調達制約、投資余力の低下による業績及び財政状態への影響の抑制に取り組んでいます。

c. 税務

 当社グループでは、各国・地域で事業活動を展開していることから、税制、国際税務、移転価格、間接税等に関する法令や制度の適用を受けています。これらへの対応や内部統制が不十分な場合、二重課税や罰金等の発生による税負担増が生じ、当社のキャッシュ・フローや財務指標に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、各国の税制、国際税務、移転価格及び間接税等に関する動向を継続的に把握するとともに、適切な税務対応及び内部統制の整備に努めています。あわせて、外部専門家の活用を含めた情報収集・分析体制を構築し、税務リスクの低減を図ることで、税負担の増加によるキャッシュ・フロー及び財務指標への影響の抑制に取り組んでいます。

4. 法務・コンプライアンス・グループガバナンス・知的財産権リスク

a. 人権・ハラスメント・DEI

 当社グループでは、人権が尊重され、多様性が適切に配慮された職場環境を確保することは、企業価値創出の根幹であり、持続的な成長を果たすために不可欠であると認識しています。しかしながら、これらに関する取り組みが十分に機能しない場合、人権侵害やハラスメント等が発生する恐れがあり、その結果として、当社グループの企業価値及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 公平性や多様性が十分に尊重されない組織風土により、従業員エンゲージメントの低下や人財流出等が生じる場合

 - 人権尊重やハラスメント防止に係る管理・対応が不十分であることにより、職場における人権侵害やハラスメント等が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、これらのリスクを低減するため、健全な企業文化の醸成を基盤として、人権尊重及び多様性に配慮した職場環境の整備を、全社的かつ継続的に推進しています。具体的には、コア・バリューである「INTEGRITY」の浸透に向けて、「INTEGRITY」ワークショップや「The INTEGRITY Award」などの取り組みを継続しています。

 また、役員及び従業員に対し、人権尊重やハラスメント防止、DEIに関する教育・周知を実施するとともに、管理職による適切な関与を通じて、エンゲージメント向上や職場環境の整備に取り組んでいます。さらに、人権侵害やハラスメント等の発生を防止し、早期に対応するため、相談・通報窓口を設置し、従業員が安心して相談できる体制を整備しています。

b. 倫理及びコンプライアンス

 当社グループでは、倫理及び法令遵守は経営の根幹となる要素の一つであり、役員及び従業員一人ひとりが企業倫理に則った行動を取ることは、企業価値の毀損防止を図る上での基本的前提と考えています。しかしながら、役員又は従業員による不適切な行為、組織風土上の問題、又は管理・運用上の不備等が生じた場合、当社グループの企業価値、社会的信用及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 役員又は従業員の倫理意識の低下、組織風土の問題等により、法令違反や社内規程違反を含むコンプライアンス上の問題が発生する場合

 - 機密情報・個人情報等が、法令又は社内規程に基づき適切に管理されないことにより、情報漏洩、不正利用、刑事罰又は行政上の制裁、損害賠償請求、又は信頼の低下等が生じる場合

 - 贈収賄や取引先等との不適切な関係を含む不祥事、内部通報制度の運用不全、又は役員・管理職による重大なコンプライアンス上の問題等が生じた場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループでは、これらのリスクを低減し、企業としての信頼性及び透明性を維持・向上させるため、社内規程や制度の整備及びその実効的な運用を、全社的かつ継続的に推進しています。

 具体的には、贈答・接待に関する基本方針を含む各種社内規程や運用上のルール等を整備し、グローバルに適用しています。また、役員・管理職を含む全従業員を対象として、コンプライアンス意識の向上及びルールの理解を目的とした教育を実施しています。あわせて、従業員コンプライアンス意識調査を定期的に実施し、その結果を踏まえて取り組みの改善を図っています。

 さらに、不正又は不祥事の早期発見及び未然防止を目的として、社内及び社外に内部通報窓口(ヘルプライン)を設置し、匿名による通報を含めた制度を運用しています。

 なお、役員倫理規程等で不祥事発生時等に役員に報酬を返還させる、いわゆるクローバック条項を定めることにより、これらの取り組みの実効性を確保しています。

c. 責任ある事業運営

 当社グループでは、従業員の安全衛生の確保、環境への配慮、並びに気候変動やESGに関する要請への対応を含む、責任ある事業運営が重要であると認識しています。これらに関する管理体制や対応が十分でない場合、操業の継続性や当社グループの企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。

 - 従業員の安全衛生管理が不十分であったことにより、労働災害の発生、事業活動への制約や行政上の制裁が生じる場合

 - 工場・事業所における環境管理や環境関連法令の遵守が不十分であったことにより、環境事故や行政上の制裁、評判の毀損が生じる場合

 - 気候変動対策やESG関連の規制・基準への対応が遅れたことにより、事業活動への制約、追加コストの発生、企業評価への悪影響が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、事業運営の安定性及び企業価値の維持・向上を図るため、従業員の安全衛生の確保、環境関連法令の遵守、並びに気候変動関連リスクへの対応を含む、事業運営に関する管理体制の整備及び運用に、全社的かつ継続的に取り組んでいます。

 労働安全衛生体制及びその実効性確保については、グループ全体で労働安全衛生に関する基本方針を定め、安全の確保及び従業員の健康保持を最優先事項としています。制度・組織面では、日本においては安全衛生委員会を設置し、労働災害の防止や快適な職場環境の形成に向けた継続的な協議及び改善活動を行っています。また、労働安全衛生マネジメントシステムの整備や認証取得に取り組むことで、管理体制の体系化及び継続的な改善を図っています。グローバルで統一した基準に基づいた安全衛生活動を推進するため、海外各拠点でRBA行動規範(B.安全衛生)を参考とした現状分析を行い、具体的な目標及び重点テーマの設定、実行につなげる活動を推進しています。あわせて、従業員に対する安全衛生教育を継続的に実施し、安全意識の向上及び基本的なルールの理解の徹底に努めています。

 また、環境管理及び化学物質管理については、環境関連法令や社内規程に基づく管理体制を整備し、化学物質管理システムを活用した管理を行うとともに、化学物質の危険有害性及び適切な取扱いに関する教育を実施することで、環境事故や法令違反の未然防止に取り組んでいます。

 さらに、当社グループは、気候変動への対応やESGに関する規制・基準の強化を重要な経営課題の一つと認識し、関係部門が連携しながら、環境負荷低減に向けた取り組みや法令・規制動向への対応を進めています。これらの活動を通じて、操業の不安定化や追加コストの発生、企業評価への悪影響といったリスクの低減を図っています。なお、当社グループの気候変動に向けた取り組みは、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候関連の取り組み」に記載しております。

d. 貿易管理

 当社グループでは、半導体製造装置及び関連技術を取り扱う事業特性上、各国・地域における輸出管理規制、経済制裁及びその他の貿易関連法令の適用を受けています。近年、経済安全保障を背景とした規制の強化や運用の厳格化が進展しており、貿易管理の重要性と複雑性が一層高まっています。

 こうした環境下において、当社グループが貿易管理に関する法令や規制への対応を適切に行えなかった場合、罰則や行政上の制裁、製品の出荷停止・制限等の措置を受ける可能性があります。また、これらを通じて、サプライチェーンや取引関係に影響が生じ、当社グループの事業活動、業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、各国・地域における貿易関連法令や規制動向について、継続的かつタイムリーな情報収集を行っています。全世界の役員及び従業員を対象として、貿易管理に関する教育を継続的に実施し、関連法令や社内ルールの理解を促進し、貿易管理に関するコンプライアンスの徹底を図っています。

e. グループガバナンス及び内部統制

 当社グループでは、国内外における事業拡大やM&Aの実施を含むグローバルな事業展開の進展に伴い、グループ全体としてのガバナンスや内部統制の重要性が一層高まっています。こうした環境下において、グループ内における内部統制の設計若しくは運用が十分でない場合、又は設計若しくは運用に不整合を来した場合、統制の形骸化が生じる可能性があります。このことは、不正や違反の防止若しくは早期把握ができない恐れをもたらし、また財務及び非財務情報の不正確な開示若しくは開示遅延につながる可能性があります。これらの結果、法令遵守体制や開示情報の信頼性が損なわれ、当社グループの業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、グループ全体における適切なガバナンス及び内部統制を確保することを重要な経営基盤の一つとし、組織及び権限を適切に設計するとともに、社内規程や子会社の意思決定機関に対する規律等を整備、運用しています。また、内部統制の設計及び運用の有効性に対してグループ全体を対象とした定期的な評価を行うとともに、不正や違反の予防、早期把握、継続的なモニタリングに向けた仕組みを整備することで内部統制の実効性の確保に取り組んでいます。

 これらの内部統制を基盤として、財務情報及び非財務情報の正確性及び適時性の確保に努めています。

f. 知的財産権

 当社グループは、第三者にその知的財産権を侵害したと主張される可能性、及び第三者により当社グループの知的財産権が侵害されるなどして、当社グループの製品の出荷ができなくなる可能性、又は当社グループの知的財産権を第三者に行使せざるを得なくなる可能性があります。これらの知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社グループの製品・サービスの競争優位性が低下したと見なされる可能性、品質やブランド価値に対する評価が低下したと見なされる可能性、交渉や訴訟等に伴う追加費用が発生する可能性があります。これらは、当社グループの売上と収益性、又は今後の事業展開や研究開発活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、これらのリスクを軽減するため、製品開発時や製品出荷前において積極的かつ戦略的に特許申請を行うとともに、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。

g. 訴訟

 当社グループの事業活動に関連して、訴訟その他の法的手続きが発生した場合、その進展や結果によっては、賠償金、和解費用、弁護士費用等の追加コストが発生し、当社グループの業績や財政状態、評判や信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉

 当社グループは、事業活動における法令遵守の徹底や契約・取引管理の強化、紛争化を未然に防ぐための当事者間の協議を通じて、紛争発生の予防及び影響の最小化に取り組んでいます。

 また、訴訟その他の法的手続きに関するリスクに備え、個別の案件が生じた際には、案件の重要性や影響度を踏まえ、必要に応じて外部専門家を活用しつつ、適切な対応を行う体制を整えています。

3【事業等のリスク】

(1)当社グループのリスクマネジメント体制について

① 組織

 内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に情報が集約されます。その他、取締役会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。

 また、有事の際に迅速に対応するため、Group COOを本部長とする危機管理本部も設置しています。

② プロセス

 取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。

 内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。

 また、コンプライアンスに関するリスクはCCOに情報が集約され、CCOを通じて取締役会、経営会議に定期的に報告されています。コンプライアンスに関するインシデント発生時には、CCOが迅速に関連ユニットに対応を指示し、対応状況を取締役会・経営会議に報告しています。リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。

 緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。

(2)事業等のリスク

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

リスク項目マップ

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(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。

(1)外部環境リスク

 (1) - a 業界特性

当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

発生可能性

影響度

高

大

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。また、その需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

  ・世界経済の全体的な状況

  ・半導体業界の動向

  ・AI・人工知能、画像認識、音声認識サービス拡大による高性能半導体市場の動向

  ・通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

  ・データセンタ、パソコンおよびサーバー業界の需要

  ・テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

  ・自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

 当連結会計年度における半導体市場の需要と当社グループの業績については、「4.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の分析」に記載のとおりであり、当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスを含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

 (1) - b 外部環境への感度

当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

発生可能性

影響度

高

大

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は89.4%、米州は6.0%、欧州は2.6%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシア、アメリカなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

・ 米中貿易戦争および経済安全保障の影響による輸出入制限や許認可制度の歪みに加え、相互関税措置および報復措置により、当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク

・ 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

・ 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

・ 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響

・ 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

・ 事業展開が広範囲におよぶための人事・管理面の困難性

・ 異なる知的財産保護制度

・ 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

・ サプライヤーや生産工場が、機械加工および組立のインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

・ 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク

・ 各国、各地方環境当局の環境規制によるサプライヤーの生産停止リスク

・ サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

・ サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、世界中の幅広いリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、サプライチェーンリスクの見える化、カスタム要素の高い専用部品の供給契約の締結、調達ルートや生産拠点の拡張を図りつつ、環境や人権などにも配慮したエシカルサプライチェーンの構築に向けての活動を進め、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っています。

 (1) - c 諸規則改変

利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

発生可能性

影響度

中

中

当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛の含まれるはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、関連する変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミーに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制に係る化学物質の動向ならびに法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。

 (1) - d 競合他社

当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest)、YC Corp.、Cohu, Inc.、UniTest Co., Ltd. および EXICON Ltd. 等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Cohu, Inc.、Hon. Precision, Inc. および TechWing Inc. 等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ISC. Ltd. および BeLINK Co., Ltd. 等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保のため、コア技術部品のベンダーを買収した場合や、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けることや、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

 (1) - e 災害・壊滅的損失(災害)

主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の国内の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県および埼玉県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続マネジメント(Business Continuity Management)を実施しております。しかしこのBCMが有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、BCMを実施するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

(2)意思決定リスク

 (2) - a 事業価値評価/投資判断(M&A/資本業務提携)

企業買収により生じるのれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候の有無を問わず、年次での減損テストも行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、利上げに伴う割引率の上昇や、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

 (2) - b 製品ライフサイクル

当社グループが顧客の技術面の要求を満たす新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合、既存の製品が陳腐化し、財政状態および経営成績に影響を及ぼします。

発生可能性

影響度

低

大

当社グループは、急速な技術変化、新しい製品やサービスの頻繁な導入、変化する予測不可能なライフサイクル、進化する業界標準を特徴とするいくつかの産業界に向けて製品を販売しております。当社製品の将来の需要の大部分は、現在設置されている半導体テストシステムでは適切に対応されていない新しいテストニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。これらの技術革新に対応する顧客のニーズ、および市場環境に対応したより高い費用効果と効率に対する顧客のニーズには、次のものが含まれます。

· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサ回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· 3D実装技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション

· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスやシリコンダイを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

· 顧客の最新のテスト対象デバイスとテスト仕様に合わせた治工具類

· 顧客の求める性能基準を満たし、エネルギー効率よく動作する製品

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品の需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、EV自動車、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォン、ウエアラブルおよびデータセンタなどの通信端末に対する需要レベルに、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いて効果的にテストおよび測定できる半導体テストシステムをタイムリーに投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術的要件を満たす製品を競争力のある価格であるいはタイムリーに供給できない場合、その製品が競合他社の製品または代替する技術ソリューションに置き換えられる可能性があります。さらに、当社グループが製品の価格競争力やタイムリーな供給に必要な人材を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求する性能基準を満たし許容可能な価格で製品を提供できなかった場合、その顧客による評価を著しく損なうことになります。そのような評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、主要な顧客との技術交流イベントを開催し、最先端ソリューションに関する情報交換の機会を設けることで、次の技術革新、新しい製品、および目まぐるしいスピードで創出される新市場を特定することに努めています。また、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎的な研究や、製品開発の初期段階から量産に向けた生産技術の開発を行っています。さらに、半導体製造工程のデータ活用を目的としたアルゴリズムの開発に加え、プローブカード・メーカーとの戦略パートナーシップによる技術協力を通じて、潜在的な需要の掘り起こしに向けた製品開発を進めています。

 (2) - c ビジネス・ポートフォリオ

当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

発生可能性

影響度

中

中

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、近縁市場・新規事業領域への展開、M&A等により、事業領域の拡大を目指しています。

 (2) - d 事業価値評価/投資判断(設備投資)

当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

中

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図っています。

 (2) - e 製品開発

当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

中

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を達成できない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

 (2) - f 価格設定

当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

発生可能性

影響度

中

中

当社グループが事業において受けている部材コストアップ、製品価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。昨今、多くの当社取引先部品メーカーが材料費の高騰を理由に部品価格の値上げを実施しています。一方で、当社顧客の半導体メーカーは材料費高騰を生産性の向上、テストコスト低減等で吸収しようと努力しており、当社製品価格低下への圧力は依然強い状況です。

また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

(3) 財務 価格リスク

 (3) - a 外国為替

為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

高

大

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の98.0%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約80%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することはできないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建ての金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

(4) 財務 流動性リスク

 (4) - a 市場の集中

当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財政状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約29%および当連結会計年度の同約48%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

 (4) - b キャッシュ・フロー

当社グループは、必要な時に資金調達ができないリスクを有しています。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動により稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場の不安定化や、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、コミットメントラインの活用などを通じて十分な流動性を確保しています。また、資金調達が必要な場合に即時に実行できるよう、複数の金融機関と良好な関係を維持しています。

(5) ガバナンスリスク

 (5) - a サクセッション・プラン

Group CEO等経営層の後継者計画が機能しない場合、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社のGroup CEOを含む経営執行役員および各ユニットにおけるキーポジション(執行役員クラス)の後継者計画が機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、Group CEOの後継者計画については、指名報酬委員会で、(1)求められる人財要件の整理、(2)候補者の選定、(3)候補者の人物評価、(4)候補者の絞り込み、(5)候補者の育成等について、経営執行役員から構成される経営チームの観点も考慮して、審議、実行しています。さらに、取締役会は指名報酬委員会からの報告を受け、主体的にその内容について議論しています。その結果として、2024年4月1日付で、Group CEOを吉田 芳明氏からダグラス ラフィーバ氏に変更しました。今後の後継者計画についても、同様のプロセスで進めていく予定です。各ビジネス・ユニット、ファンクション・ユニットのリーダー等のキーポジションの後継者計画については、Group CEOを責任者とする検討委員会で毎年レビューされています。さらに、検討委員会で策定された方針に基づき、執行部門は後継者候補に対してトレーニングや育成計画を設計・実行し、指名報酬委員会および取締役会に適宜状況を報告しています。

(6) 評判リスク

 (6) - a イメージ/ブランド力

当社グループは、ブランド力の毀損または信用喪失などにより、財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループは、法令や社会的倫理に違反する行為、労働安全衛生管理の不備や怠慢に起因する労働災害、あるいは製造物責任を含む安全性・信頼性・製品性能などの低下によりブランド力の毀損または信用を喪失する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。

 なお、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥がないという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生や、製品の障害発生および不適切な障害対応による顧客対応費用の増大や、損害賠償請求などを受ける可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、コンプライアンス部を設置し、会社信用保全のために法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続して行っています。また、安全性・信頼性が高い製品の提供ができるようにステージゲートシステム等に代表されるプロジェクト管理手法を運用し、各フェーズにおいて品質を含む定期的な開発レビューを行っています。さらに、生産過程において様々な品質確認を行っていることに加え、品質保証部門によるクロスチェックにより品質の安定化に努めています。

(7) 情報処理 / IT リスク

 (7) - a インフラ

当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、サプライチェーンとのデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、コアプロセスと関連するITシステムを洗い出し、障害中断なく継続的に利用できる仕組み作りや、市場の新しい技術への代替を推進しています。また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会へと繋げることに努めています。これらは、先進的な技術とともに、主要な業務プロセスの効率化と自動化を目的としたビジネスプロセス・リエンジニアリングにより推進されています。

 (7) - b 情報セキュリティ

当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受け、妨害され、または停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループはGlobal Information Security Committeeが、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。また、Advantest CSIRT※を構築し、情報セキュリティインシデントに対する初動体制を構築しています。継続的なセキュリティ強化の一環として、ペネトレーションテストや疑似攻撃を定期的に実施し、潜在的な脆弱性を特定・改善してまいります。

※CSIRT(Computer Security Incident Response Team)

(8) 業務運営リスク

 (8) - a 外部からの調達

部品が調達できないことにより製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して1社または少数のサプライヤーに依存しており、ほとんどの部品および部分品に関して長期間の供給契約を結ばずに個別の発注で購入しております。

 サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等によりすでに採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。

 今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、それができなければ、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全くなかった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果を招く可能性に加え、受注取消し、製品納入時期の変更調整が発生する可能性があります。その結果、当社グループの将来の市場シェアおよび棚卸資産の評価損等、財政状態と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールにしたがって、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。また、強靭なサプライチェーンの構築を目指し、主要サプライヤーとの供給保証契約の締結交渉や、前工程加工を済ませたウエーハの状態で備蓄する「ダイバンク」等で、中間品を確保する対応を行っています。

 (8) - b 人的資本

労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや多様な運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中

中

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人財や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた多様な人財の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 しかしながら、必要な人財を継続的に採用し維持するための競争は激しく、働く環境の改善が遅れ、当社グループの制度が時流に合わなくなり、報酬水準の競争力が低下して従業員にとって魅力が薄れ、人財が流出した場合、社員教育が不十分であった場合、または人財の高齢化や退職に伴う知識や技術の伝承が不十分であった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、多様で経験豊かな人財のグローバルベースでの幅広い採用、確保を目指します。そのため、経営戦略や人財育成基本方針、社内環境整備方針に基づき、中長期的な採用計画(新卒およびキャリア採用)の策定、ミッション・ビジョン・バリューの浸透活動、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み、外部競争力のある報酬水準の確保、一部キーエンジニアに対するリテンションRSU(譲渡制限付株式報酬)の導入、社員教育への投資、知識・技術伝承の仕組みづくり等により人財の安定化を図っています。

 (8) - c 知的財産権

当社グループは、知的財産に関するリスクとして、第三者にその知的財産を侵害したと主張される可能性、および当社グループの知的財産を適切に保護できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループは、意図せず第三者の知的財産権を侵害し、その結果、侵害の責任を問われる可能性があります。この場合、高額な賠償、裁判費用、またはライセンス料を支払わなければならない可能性や、製品を製造および販売できなくなる可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、第三者の知的財産を侵害することのないよう、製品開発時や製品出荷前において積極的に特許申請を行っています。

 また、当社グループは、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。当社グループは、その知的財産権を第三者による侵害から保護することを重要と考え、今後も第三者の製品を監視し、適切な知的財産権の保護に努めてまいります。

3【事業等のリスク】

(1)当社グループのリスクマネジメント体制について

① 組織

 内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に情報が集約されます。その他、取締役会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。

 また、有事の際に迅速に対応するため、Group COOを本部長とする危機管理本部も設置しています。

② プロセス

 取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。

 内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。

 また、コンプライアンスに関するリスクはCCOに情報が集約され、CCOを通じて取締役会、経営会議に定期的に報告されています。コンプライアンスに関するインシデント発生時には、CCOが迅速に関連ユニットに対応を指示し、対応状況を取締役会・経営会議に報告しています。リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。

 緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。

(2)事業等のリスク

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

リスク項目マップ

0102010_003.png

0102010_004.png

(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。

(1)外部環境リスク

 (1) - a 業界特性

当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

発生可能性

影響度

高

大

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。また、その需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

  ・世界経済の全体的な状況

  ・半導体業界の動向

  ・ニューラルネットワークを活用したAI・人工知能、画像認識、音声認識サービス拡大による高性能半導体市場の動向

  ・通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

  ・データセンター、パソコンおよびサーバー業界の需要

  ・テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

  ・自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

 当連結会計年度における半導体市場の需要と当社グループの業績については、「4.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の分析」に記載のとおりであり、当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスや新規事業を含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

 (1) - b 外部環境への感度

当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

発生可能性

影響度

高

大

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は84.6%、米州は7.7%、欧州は3.6%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシア、アメリカなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

・ 米中貿易戦争や経済安全保障の影響による輸出入制限や許認可制度の歪みを受け、当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク

・ 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

・ 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

・ 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響

・ 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

・ 事業展開が広範囲におよぶための人事・管理面の困難性

・ 異なる知的財産保護制度

・ 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

・ サプライヤーや生産工場が、機械加工および組立のインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

・ 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク

・ 各国、各地方環境当局の環境規制によるサプライヤーの生産停止リスク

・ サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

・ サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、海外拠点のリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、サプライチェーンリスクの見える化、カスタム要素の高い専用部品の供給契約の締結、調達ルートや生産拠点の拡張を図りつつ、環境や人権などにも配慮したエシカルサプライチェーンの構築に向けての活動を進め、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っています。

 (1) - c 諸規則改変

利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

発生可能性

影響度

高

大

当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛の含まれるはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、関連する変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミーに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制に係る化学物質の動向ならびに法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。

 (1) - d 競合他社

当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Cohu, Inc.、YC Corp.、UniTest Co., Ltd.、EXICON Ltd.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech) および Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest) 等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、Hon. Precision, Inc. および Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech) 等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ISC.Ltd. および BeLINK Co.,Ltd. 等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保のため、コア技術部品のベンダーを買収したり、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

 (1) - e 災害・壊滅的損失(災害)

主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の国内の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこのBCP計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、BCP計画を策定するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

(2)意思決定リスク

 (2) - a 事業価値評価/投資判断(M&A/資本業務提携)

企業買収により生じるのれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候の有無を問わず、年次での減損テストも行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、利上げに伴う割引率の上昇や、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

 (2) - b 製品ライフサイクル

当社グループが顧客の技術面の要求を満たす新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合、既存の製品が陳腐化し、財政状態および経営成績に影響を及ぼします。

発生可能性

影響度

低

大

当社グループは、急速な技術変化、新しい製品やサービスの頻繁な導入、変化する予測不可能なライフサイクル、進化する業界標準を特徴とするいくつかの産業界に向けて製品を販売しております。当社製品の将来の需要の大部分は、現在設置されている半導体テストシステムでは適切に対応されていない新しいテストニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。これらの技術革新に対応する顧客のニーズ、および市場環境に対応したより高い費用効果と効率に対する顧客のニーズには、次のものが含まれます。

· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサ回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· 3D実装技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション

· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスやシリコンダイを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

· 顧客の最新のテスト対象デバイスとテスト仕様に合わせた治工具類

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品の需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、EV自動車、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォン、ウエアラブルおよびデータセンターなどの通信端末に対する需要レベルに、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いて効果的にテストおよび測定できる半導体テストシステムをタイムリーに投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術的要件を満たす製品を競争力のある価格であるいはタイムリーに供給できない場合、その製品が競合他社の製品または代替する技術ソリューションに置き換えられる可能性があります。さらに、当社グループが製品の価格競争力やタイムリーな供給に必要な人材を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求する性能基準を満たし許容可能な価格で製品を提供できなかった場合、その顧客による評価を著しく損なうことになります。そのような評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、主要な顧客との技術交流イベントを開催し、最先端ソリューションに関する情報交換の機会を設けることで、次の技術革新、新しい製品、および目まぐるしいスピードで創出される新市場を特定することに努めています。そして、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎的な研究や、製品開発の初期段階から量産に向けた生産技術の開発を行っています。また、当社グループは、PDF Solutions社との業務提携により、半導体製造工程のデータ解析を活用し、顧客ニーズをタイムリーに捉え潜在的な需要も考慮する新製品の研究を行っています。

 (2) - c ビジネス・ポートフォリオ

当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

発生可能性

影響度

中

中

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、新規事業の立ち上げ、M&A等により、事業領域の拡大を目指しています。

 (2) - d 事業価値評価/投資判断(設備投資)

当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

中

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図っています。

 (2) - e 製品開発

当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

中

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を達成できない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

 (2) - f 価格設定

当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

発生可能性

影響度

中

中

当社グループが事業において受けている部材コストアップ、製品価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。昨今、多くの当社取引先部品メーカーが材料費の高騰を理由に部品価格の値上げを実施しています。一方で、当社顧客の半導体メーカーは材料費高騰を生産性の向上、テストコスト低減等で吸収しようと努力しており、当社製品価格低下への圧力は依然強い状況です。

また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

(3) 財務 価格リスク

 (3) - a 外国為替

為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

高

大

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の95.9%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約72%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することはできないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建ての金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

(4) 財務 流動性リスク

 (4) - a 市場の集中

当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財政状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約28%および当連結会計年度の同約29%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

 (4) - b キャッシュ・フロー

当社グループは、必要な時に資金調達ができないリスクを有しています。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動により稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場が不安定になったり、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、コミットメントラインの活用などを通じて十分な流動性を確保しています。また、資金調達が必要な場合に即時に実行できるよう、複数の金融機関と良好な関係を維持しています。

(5) ガバナンスリスク

 (5) - a サクセッション・プラン

Group CEO等経営層の後継者計画が機能しない場合、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社のGroup CEOを含む経営執行役員および各ユニットにおけるキーポジション(執行役員クラス)の後継者計画が機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、Group CEOの後継者計画については、指名報酬委員会で、(1)求められる人財要件の整理、(2)候補者の選定、(3)候補者の人物評価、(4)候補者の絞り込み、(5)候補者の育成等について、経営執行役員から構成される経営チームの観点も考慮して、審議、実行しています。さらに、取締役会は指名報酬委員会からの報告を受け、主体的にその内容について議論しています。その結果として、2024年4月1日付で、Group CEOを吉田 芳明氏からダグラス ラフィーバ氏に変更しました。今後の後継者計画についても、同様のプロセスで進めていく予定です。各ビジネス・ユニット、ファンクション・ユニットのリーダー等のキーポジションの後継者計画については、Group CEOを責任者とする検討委員会で毎年レビューされています。さらに、検討委員会で策定された方針に基づき、執行部門は後継者候補に対してトレーニングや育成計画を設計・実行し、指名報酬委員会および取締役会に適宜状況を報告しています。

(6) 評判リスク

 (6) - a イメージ/ブランド力

当社グループは、ブランド力の毀損または信用喪失などにより、財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループは、法令や社会的倫理に違反する行為、あるいは製造物責任を含む安全性・信頼性・製品性能などの低下によりブランド力の毀損または信用を喪失する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。

 なお、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥がないという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生や、製品の障害発生および不適切な障害対応による顧客対応費用の増大や、損害賠償請求などを受ける可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、コンプライアンス部を設置し、会社信用保全のために法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続して行っています。また、安全性・信頼性が高い製品の提供ができるようにステートゲートシステム等に代表されるプロジェクト管理手法を運用し、各フェーズにおいて品質を含む定期的な開発レビューを行っています。さらに、生産過程において様々な品質確認を行っていることに加え、品質保証部門によるクロスチェックにより品質の安定化に努めています。

(7) 情報処理 / IT リスク

 (7) - a インフラ

当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、生産設備と物流のデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有しているITシステムを洗い出し、用途・継続性と市場の新しい技術への代替を推進しています。また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会に繋げることに努めています。

 (7) - b 情報セキュリティ

当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。また、Advantest CSIRT※を構築し、情報セキュリティインシデントに対する初動体制を構築しています。

※CSIRT(Computer Security Incident Response Team)

(8) 業務運営リスク

 (8) - a 外部からの調達

部品が調達できないことにより製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中

大

 当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して1社または少数のサプライヤーに依存しており、ほとんどの部品および部分品に関して長期間の供給契約を結ばずに個別の発注で購入しております。

 サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。

 今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、それができなければ、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全くなかった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果を招く可能性に加え、受注取消し、製品納入時期の変更調整が発生する可能性があります。その結果、当社グループの将来の市場シェアおよび棚卸資産の評価損等、財政状態と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールにしたがって、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。また、部品入手性を向上させる取り組みとして、主要サプライヤーとの供給保証契約の締結交渉や、前工程加工を済ませたウエハーの状態で備蓄する「ダイバンク」等で、中間品を確保する対応を行っています。

 (8) - b 人的資本

労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや多様な運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中

中

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人財や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた多様な人財の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 しかしながら、必要な人財を継続的に採用し維持するための競争は激しく、働く環境の改善が遅れ、当社グループの制度が時流に則さないものとなったり、報酬水準の競争力が下がったりして従業員にとって魅力が薄れ人財が流出した場合、社員教育が不十分であった場合、または人財の高齢化、退職に対し知識や技術の伝承が不十分であった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、多様で経験豊かな人財のグローバルベースでの幅広い採用、確保を目指します。そのため、経営戦略や人財育成基本方針、社内環境整備方針に基づき、中長期的な採用計画(新卒およびキャリア採用)の策定、ミッション・ビジョン・バリューの浸透活動、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み、外部競争力のある報酬水準の確保、一部キーエンジニアに対するリテンションRSU(譲渡制限付株式報酬)の導入、社員教育への投資、知識・技術伝承の仕組みづくり等により人財の安定化を図っています。

 (8) - c 知的財産権

当社グループは、知的財産に関するリスクとして、第三者にその知的財産を侵害したと主張される可能性、および当社グループの知的財産を適切に保護できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低

大

 当社グループは、意図せず第三者の知的財産権を侵害し、その結果、侵害の責任を問われる可能性があります。この場合、高額な賠償、裁判費用、またはライセンス料を支払わなければならない可能性や、製品を販売できなくなる可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、第三者の知的財産を侵害することのないよう、製品開発時や製品出荷前において知的財産調査等の実施に努めています。

 また、当社グループは、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。しかし、当社グループの知的財産を侵害していると思われる第三者の製品を入手し侵害を立証することは一般的に困難でもあります。当社グループは、その知的財産権を第三者による侵害から保護することを重要と考え、今後も第三者の製品を監視し、適切な知的財産権の保護に努めてまいります。また、当社グループの顧客に対してもコンプライアンス遵守する旨、発信していきます。

3【事業等のリスク】

(1)当社のリスクマネジメント体制について

① 組織

 内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に情報が集約されます。その他、取締役会、監査等委員会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。

 また、有事の際に迅速に対応するため、社長を本部長とする危機管理本部も設置しています。

② プロセス

 取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。

 内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニットにリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。

 また、コンプライアンスに関するリスクはCCOに情報が集約された後、CCOから取締役会、監査等委員会、経営会議に報告されています。リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。

 緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。

(2)事業等のリスク

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

リスク項目マップ

0102010_006.jpg

0102010_007.jpg

(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。

(1)外部環境リスク

 (1) - a

当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

a 業界特性

高

大

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。また、その需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

  ・世界経済の全体的な状況

  ・半導体業界の動向

  ・通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

  ・データセンター、パソコンおよびサーバー業界の需要

  ・テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

  ・自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

  ・ニューラルネットワークを活用したAI・人工知能、画像認識、音声認識サービス拡大による高性能半導体市場の動向

 当連結会計年度における半導体市場の需要と当社グループの業績については、「4.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の分析」に記載のとおりであり、当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスや新規事業を含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

 (1) - b

当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

b 外部環境への感度

高

大

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は85.5%、米州は7.7%、欧州は3.1%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシア、アメリカなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

・ 米中貿易摩擦等の保護主義政策を受けて輸出入制限や許認可制度の歪みにより当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク

・ 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

・ 感染症を含む疫病がグローバル経済発展に伴い世界へ拡散することにより、人の移動、物流を阻害し経済全体が停滞するリスク

・ パンデミックにより特定地域のサプライヤーの生産工場の閉鎖、稼働低下、また移動手段の制限による調達リスク

・ 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

・ 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響

・ 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

・ 事業展開が広範囲におよぶための人事・管理面の困難性

・ 異なる知的財産保護制度

・ 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

・ サプライヤーや生産工場が、機械加工および組立のインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

・ 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク

・ 各国、各地方環境当局の環境規制によるサプライヤーの生産停止リスク

・ サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

・ サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、海外拠点のリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、サプライチェーンリスクの見える化、カスタム要素の高い専用部品の供給契約の締結、調達ルートや生産拠点の拡張を図りつつ、環境や人権などにも配慮したエシカルサプライチェーンの構築に向けての活動を進め、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っています。

 (1) - c

利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

c 諸規則改変

高

大

当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛の含まれるはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、関連する変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制に係る化学物質の動向ならびに法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。

 (1) - d

当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

d 競合他社

中

大

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Cohu, Inc.、YIK Corp.、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、および Hon. Precision, Inc.等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ESA Electronics Pte. Ltd.、TFE Inc.および ISC.Ltd.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保のため、コア技術部品のベンダーを買収したり、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

 (1) - e

当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの感染症に関して以下のリスクを想定しています。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

e 災害・壊滅的損失(感染症)

低

小

① 当社グループ、顧客、サプライヤーの従業員が感染することによる業務中断や効率低下

② 世界各地の移動制限や都市封鎖が長期化することで生じる次の問題

 i)   当社グループや委託先において製造人員の安定確保ができないことによる製品供給能力低下

 ii)  移動制限による顧客サポート能力低下

 iii) 世界的規模のサプライチェーン寸断(部材調達難、物流遮断等)による製品供給能力低下

③ 世界経済の悪化による最終需要減とエレクトロニクス業界全体への波及、半導体市場および半導体製造装置市場の減速

④ 顧客のサプライチェーン変動などを通じ、半導体産業の構造が中期的に大きく変化する可能性

⑤ ポストコロナ時の人々の生活様式および社会の変化がもたらす事業環境の変容

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、社長直轄の危機管理本部が主導して、(1)在宅勤務、出張禁止など従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、(2)顧客へのオンラインサポート、(3)生産、販売、在庫、物流状況の世界レベルでの把握、(4)感染者が発生した場合のBCP対策、(5)グループ会社間の支援物資融通、(6)資金管理等、感染症への対応を図っています。

 (1) - f

主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

f 災害・壊滅的損失(災害)

低

大

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の国内の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこのBCP計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、BCP計画を策定するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

(2)意思決定リスク

 (2) - a

企業買収や資本業務提携により生じるのれんおよび無形資産等は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

a 事業価値評価/投資判断

(M&A/資本業務提携)

中

大

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、利上げに伴う割引率の上昇や、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは資本業務提携の推進等を目的として投資有価証券等を保有しております。株価の著しい下落、もしくは当該株式の発行会社の財政状態の著しい悪化により減損処理を行った場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

 (2) - b

当社グループが顧客の技術面の要求を満たす新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合、既存の製品が陳腐化し、財政状態および経営成績に影響を及ぼします。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

b 製品ライフサイクル

低

大

当社グループは、急速な技術変化、新しい製品やサービスの頻繁な導入、変化する予測不可能なライフサイクル、進化する業界標準を特徴とするいくつかの産業界に向けて製品を販売しております。当社製品の将来の需要の大部分は、現在設置されている半導体テストシステムでは適切に対応されていない新しいテストニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。これらの技術革新に対応する顧客のニーズ、および市場環境に対応したより高い費用効果と効率に対する顧客のニーズには、次のものが含まれます。

· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサ回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· 3D実装技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSоCに対応するソリューション

· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

· 顧客の最新のテスト対象デバイスとテスト仕様に合わせた治工具類

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品の需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、EV自動車、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォン、ウエアラブルおよびデータセンターなどの通信端末に対する需要レベルに、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いて効果的にテストおよび測定できる半導体テストシステムをタイムリーに投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術的要件を満たす製品を競争力のある価格であるいはタイムリーに供給できない場合、その製品が競合他社の製品または代替する技術ソリューションに置き換えられる可能性があります。さらに、当社グループが製品の価格競争力やタイムリーな供給に必要な人材を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求する性能基準を満たし許容可能な価格で製品を提供できなかった場合、その顧客による評価を著しく損なうことになります。そのような評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、主要な顧客との技術交流イベントを開催し、最先端ソリューションに関する情報交換の機会を設けることで、次の技術革新、新しい製品、および目まぐるしいスピードで創出される新市場を特定することに努めています。そして、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎的な研究や、製品開発の初期段階から量産に向けた生産技術の開発を行っています。また、当社グループは、PDF Solutions社との業務提携により、半導体製造工程のデータ解析を活用し、顧客ニーズをタイムリーに捉え潜在的な需要も考慮する新製品の研究を行っています。

 (2) - c

当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

c ビジネス・ポートフォリオ

中

中

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、新規事業の立ち上げ、M&A等により、事業領域の拡大を目指しています。

 (2) - d

当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

d 事業価値評価/投資判断

(設備投資)

低

中

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図ります。

 (2) - e

当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

e 製品開発

低

中

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を達成できない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

 (2) - f

当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

f 価格設定

中

小

当社グループが事業において受けている部材コストアップ、製品価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。昨今、多くの当社取引先部品メーカーが材料費の高騰を理由に部品価格の値上げを実施しています。一方で、当社顧客の半導体メーカーは材料費高騰を生産性の向上、テストコスト低減等で吸収しようと努力しており、当社製品価格低下への圧力は依然強い状況です。

また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

(3) 財務 価格リスク

 (3) - a

為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(3) 財務 価格

a 外国為替

高

大

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の96.3%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約78%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することはできないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建ての金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

(4) 財務 流動性リスク

 (4) - a

当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財政状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

分類

発生可能性

影響度

(4) 財務 流動性

a 市場の集中

低

大

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約34%および当連結会計年度の同約28%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

 (4) - b

当社グループは、必要な時に資金調達ができないリスクを有しています。

分類

発生可能性

影響度

(4) 財務 流動性

b キャッシュ・フロー

低

中

 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動により稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場が不安定になったり、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、コミットメントラインの活用などを通じて十分な流動性を確保しています。また、資金調達が必要な場合に即時に実行できるよう、複数の金融機関と良好な関係を維持しています。

(5) ガバナンスリスク

 (5) - a

Group CEO等経営層の後継者計画が機能しない場合、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(5) ガバナンス

a サクセッションプラン

低

大

 当社のGroup CEOを含む経営執行役員および各ユニットにおけるキーポジション(執行役員クラス)の後継者計画が機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、Group CEOの後継者計画については、指名報酬委員会で、(1)求められる人財要件の整理、(2)候補者の選定、(3)候補者の人物評価、(4)候補者の絞り込み、(5)候補者の育成等について、経営執行役員から構成される経営チームの観点も考慮して、審議、実行しています。さらに、取締役会は指名報酬委員会からの報告を受け、主体的にその内容について議論しています。各ビジネス・ユニット、ファンクション・ユニットのリーダー等のキーポジションの後継者計画については、Group CEOを責任者とする検討委員会で毎年レビューされています。さらに、検討委員会で策定された方針に基づき、執行部門は後継者候補に対してトレーニングや育成計画を設計・実行し、指名報酬委員会および取締役会に適宜状況を報告しています。

(6) 評判リスク

 (6) - a

当社グループは、ブランド力の毀損または信用喪失などにより、財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(6) 評判

a イメージ/ブランド力

低

大

 当社グループは、法令や社会的倫理に違反する行為、あるいは製造物責任を含む安全性・信頼性・製品性能などの低下によりブランド力の毀損または信用を喪失する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。

 なお、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥がないという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生や、製品の障害発生および不適切な障害対応による顧客対応費用の増大や、損害賠償請求などを受ける可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、コンプライアンス部を設置し、会社信用保全のために法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続して行っています。また、安全性・信頼性が高い製品の提供ができるように設計段階でのデザインレビューや製品の生産過程において様々な品質確認を行っていることに加え、品質保証部門によるクロスチェックにより、品質の安定化に努めています。

(7) 情報処理 / IT リスク

 (7) - a

当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(7) 情報処理/IT

a インフラ

低

大

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、生産設備と物流のデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有しているITシステムを洗い出し、用途・継続性と市場の新しい技術への代替を推進しています。また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会に繋げることに努めています。

 (7) - b

当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(7) 情報処理/IT

b セキュリティ

低

大

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。

(8) 業務運営リスク

 (8) - a

部品が調達できないことにより製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(8) 業務運営

a 外部からの調達

高

大

 当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して1社または少数のサプライヤーに依存しており、ほとんどの部品および部分品に関して長期間の供給契約を結ばずに個別の発注で購入しております。

 サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。

 今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、それができなければ、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全くなかった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果を招く可能性に加え、受注取消し、製品納入時期の変更調整が発生する可能性があります。その結果、当社グループの将来の市場シェアおよび棚卸資産の評価損等、財政状態と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールにしたがって、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。また、部品入手性を向上させる取り組みとして、主要サプライヤーとの供給保証契約の締結交渉や、前工程加工を済ませたウエハーの状態で備蓄する「ダイバンク」等で、中間品を確保する対応を行っています。

 (8) - b

労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや多様な運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(8) 業務運営

b 人的資本

中

中

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人財や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた多様な人財の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 しかしながら、必要な人財を継続的に採用し維持するための競争は激しく、働く環境の改善が遅れ、当社グループの制度が時流に則さないものとなったり、報酬水準の競争力が下がったりして従業員にとって魅力が薄れ人財が流出した場合、社員教育が不十分であった場合、または人財の高齢化、退職に対し知識や技術の伝承が不十分であった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、多様で経験豊かな人財のグローバルベースでの幅広い採用、確保を目指します。そのため、経営戦略や人財育成基本方針、社内環境整備方針に基づき、中長期的な採用計画(新卒およびキャリア採用)の策定、ミッション・ビジョン・バリューの浸透活動、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み、外部競争力のある報酬水準の確保、社員教育への投資、知識・技術伝承の仕組みづくり等により人財の安定化を図っています。

 (8) - c

当社グループは、知的財産に関するリスクとして、第三者にその知的財産を侵害したと主張される可能性、および当社グループの知的財産を適切に保護できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(8) 業務運営

c 知的財産権

低

大

 当社グループは、意図せず第三者の知的財産権を侵害し、その結果、侵害の責任を問われる可能性があります。この場合、高額な賠償、裁判費用、またはライセンス料を支払わなければならない可能性や、製品を販売できなくなる可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、第三者の知的財産を侵害することのないよう、製品開発時や製品出荷前において知的財産調査等の実施に努めています。

 また、当社グループは、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。しかし、当社グループの知的財産を侵害していると思われる第三者の製品を入手し侵害を立証することは一般的に困難でもあります。当社グループは、その知的財産権を第三者による侵害から保護することを重要と考え、今後も第三者の製品を監視し、適切な知的財産権の保護に努めてまいります。また、当社グループの顧客に対してもコンプライアンス遵守する旨、発信していきます。

2【事業等のリスク】

(1)当社のリスクマネジメント体制について

①組織

 内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。リスク情報は各委員会に集約されます。その他、取締役会、監査等委員会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。

 有事の際に迅速に対応するため、社長を本部長とする危機管理本部も設置されています。

②プロセス

 取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。サステナブル経営推

進ワーキンググループは特にESGの側面から各ユニットの施策立案と活動をサポートします。

 内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定・評価およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。

 また、各委員会に情報が集約され、それぞれの委員会の担当役員を通じて取締役会・経営会議に報告されています。リスクの重要度・緊急性に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。

 緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。

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(2)事業等のリスク

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

リスク項目マップ

0102010_003.png

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(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。

(1)外部環境リスク

 (1) - a

当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

a 業界特性

高

大

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。

 世界的な半導体市場は、2019年は、米中貿易摩擦などの地政学的リスクが招いた世界経済成長の失速が、半導体市場にも大きな影響を与え、その結果、前年比12.0%の減少となりました。2020年は、世界経済が新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)のパンデミックの影響で低迷した一方、半導体市場は在宅時間の増加によるパソコンやタブレット端末の需要増加等、複数のプラス要因がこれを打ち消しました。その結果、前年比6.8%の増加となりました。2021年は、世界経済が引き続きCOVID-19の影響を受けつつも徐々に活発化する中、半導体市場は前年の堅調な成長の流れを引き継ぎ幅広い用途で需要が強く、高成長となりました。その結果、前年比26.2%の増加となりました。

 SoC半導体の世界的売上は、2019年は、不確実な経済情勢の中で最終製品需要や設備投資が減衰したものの、スマートフォン用の半導体需要が通年継続したため、前年比3.6%の減少にとどまりました。2020年は、リモートワークの拡大やスマートフォン高性能化を背景に堅調な需要環境が続きましたが、一方で米中摩擦先鋭化が影響し、前年比7.4%の増加にとどまりました。2021年は、HPCなどの最先端プロセス品の堅調な成長に加え、車載・産業機器・民生向け半導体の需要拡大により前年比26.8%の増加となりました。

 メモリ半導体の世界的売上は、2019年は、メモリ半導体の在庫過剰感から前年比32.6%の減少となりました。2020年は、データサーバーやゲーム機器関連が伸び、前年比10.4%の増加となりました。2021年は、メモリ半導体の大容量化の進展、高速化、高性能化が堅調に進展し、前年比30.9%の増加となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

  ・世界経済の全体的な状況

  ・半導体業界の動向

  ・通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

  ・データセンター、パソコンおよびサーバー業界の需要

  ・テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

  ・自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

 2019年度の当社グループは、大手半導体メーカー各社において半導体高性能化への取り組みが積極的に進められたことにより、半導体試験装置の需要が喚起され、とりわけ先端プロセスを用いたスマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続しました。しかしながら、メモリ半導体の在庫過剰感から、メモリ・テスタ市場は大きく縮小しました。その結果、売上高は前年比2.3%減少の275,894百万円となりました。損益面については、売上総利益率は前年を上回ったものの、将来の成長基盤強化として研究開発やサポート人員のリソース強化のため販管費が増加したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年比6.1%減少の53,532百万円となりました。

 2020年度は、コロナ禍の中でも半導体試験装置事業においてリモートワークの普及や巣ごもり消費の拡大を背景にデータセンターやゲーム機器関連の需要が持続したことに加え、スマートフォン関連領域において端末性能の競争を背景に生じた新規試験装置需要の取り込みに努めました。その結果、売上高は前年比13.4%増加の312,789百万円となりました。損益面については、売上総利益率の良い製品群の売上構成比が減少したものの、事業譲渡益やドイツ子会社の年金制度を統一した確定給付型年金制度へ移行したことに伴う利益など一過性の利益約81億円を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年比30.4%増加の69,787百万円となりました。

 2021年度は、半導体市場の活況を受け、半導体試験装置に対する需要も拡大が続きました。とりわけデータセンターやスマートフォン向けのハイエンドSoC半導体に対し先端技術投資が促進されたことで、SoC半導体用試験装置市場が力強く成長しました。このような環境下で、当社は、強みとする幅広い製品ポートフォリオとグローバル販売・サポート網を活かし、拡大する半導体試験装置需要を着実に取り込みました。その結果、売上高は前年比33.3%増加の416,901百万円となりました。損益面については、親会社の所有者に帰属する当期利益が前年比25.1%増加の87,301百万円となりました。当期利益における前年比増加率が緩やかであるのは、前年度において、日本での繰越欠損金使用および、繰延税金資産約100億円の計上に伴う税金費用の減少があったことによります。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

●対応:

 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスや新規事業を含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

 (1) - b

当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

b 外部環境への感度

高

大

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は88.4%、米州は4.9%、欧州は2.8%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシア、アメリカなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

・ 米中貿易摩擦等の保護主義政策を受けて輸出入制限や許認可制度の歪みにより当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク

・ 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

・ 感染症を含む疫病がグローバル経済発展に伴い世界へ拡散することにより、人の移動、物流を阻害し経済全体が停滞するリスク

・ パンデミックにより特定地域のサプライヤーの生産工場の閉鎖、稼働低下、また移動手段の制限による調達リスク

・ 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱 が 発生するリスク

・ 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響

・ 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

・ 事業展開が広範囲におよぶための人事・管理面の困難性

・ 異なる知的財産保護制度

・ 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

・ サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

・ 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク

・ 各国、各地方環境当局の環境規制によるサプライヤーの生産停止リスク

・ サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

・ サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、海外拠点のリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、調達ルートの拡張や生産拠点の柔軟化を図り、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達基本方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っております。

 (1) - c

利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

c 諸規則改変

高

大

当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制にかかる化学物質の動向ならびに法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。

 (1) - d

当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

d 競合他社

中

大

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Cohu, Inc.、YIK Corp.、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、および Hon. Precision, Inc.等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ESA Electronics Pte Ltd.、TFE Inc.および ISC.Ltd.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保の為、コア技術部品のベンダーを買収したり、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

 (1) - e

当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に関して以下のリスクを想定しています。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

e 災害・壊滅的損失(感染症)

中

小

① 当社グループ、顧客、サプライヤーの従業員が感染することによる業務中断や効率低下

② 世界各地の移動制限や都市封鎖が長期化することで生じる次の問題

 i)   当社グループや委託先において製造人員の安定確保ができないことによる製品供給能力低下

 ii)  移動制限による顧客サポート能力低下

 iii) 世界的規模のサプライチェーン寸断(部材調達難、物流遮断等)による製品供給能力低下

③ 世界経済の悪化による最終需要減とエレクトロニクス業界全体への波及、半導体市場および半導体製造装置市場の減速

④ 顧客のサプライチェーン変動などを通じ、半導体産業の構造が中期的に大きく変化する可能性

⑤ ポストコロナ時の人々の生活様式および社会の変化がもたらす事業環境の変容

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、社長直轄の危機管理本部が主導して、(1)在宅勤務、出張禁止など従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、(2)顧客へのオンラインサポート、(3)生産、販売、在庫、物流状況の世界レベルでの把握、(4)感染者が発生した場合のBCP対策、(5)グループ会社間の支援物資融通、(6)資金管理等、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を行っています。

 (1) - f

主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

分類

発生可能性

影響度

(1) 外部環境

f 災害・壊滅的損失(災害)

低

大

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこのBCP計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、BCP計画を策定するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

(2)意思決定リスク

 (2) - a

企業買収や資本業務提携により生じるのれんおよび無形資産等は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

a 事業価値評価/投資判断

(M&A/資本業務提携)

低

大

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは資本業務提携の推進等を目的として投資有価証券等を保有しております。株価の著しい下落、もしくは当該株式の発行会社の財政状態の著しい悪化により減損処理を行った場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

 (2) - b

当社グループが顧客の技術面の要求を満たす新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合、既存の製品が陳腐化し、財政状態および経営成績に影響を及ぼします。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

b 製品ライフサイクル

低

大

 当社グループは、急速な技術変化、新しい製品やサービスの頻繁な導入、変化する予測不可能なライフサイクル、進化する業界標準を特徴とするいくつかの産業界に向けて製品を販売しております。当社製品の将来の需要の大部分は、現在設置されている半導体テストシステムでは適切に対応されていない新しいテストニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。これらの技術革新に対応する顧客のニーズ、および市場環境に対応したより高い費用効果と効率に対する顧客のニーズには、次のものが含まれます。

· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサー回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV(Through-Silicon Via)技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション

· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品の需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォン、ウエアラブルおよびデータセンターなどの通信端末に対する需要レベルに、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いて効果的にテストおよび測定できる半導体テストシステムをタイムリーに投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術的要件を満たす製品を競争力のある価格であるいはタイムリーに供給できない場合、その製品が競合他社の製品または代替する技術ソリューションに置き換えられる可能性があります。さらに、当社グループが製品の価格競争力やタイムリーな供給に必要な人材を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求する性能基準を満たし許容可能な価格で製品を提供できなかった場合、その顧客による評価を著しく損なうことになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、主要な顧客との技術交流イベントを開催し、最先端ソリューションに関する情報交換の機会を設けることで、次の技術革新、新しい製品、および目まぐるしいスピードで創出される新市場を特定することに努めています。そして、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎的な研究や、製品開発の初期段階から量産に向けた生産技術の開発を行っています。また、当社グループは、PDF Solutions社との業務提携により、半導体製造工程のデータ解析を活用し、顧客ニーズをタイムリーに捉え潜在的な需要も考慮する新製品の研究を行っております。

 (2) - c

当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

c ビジネス・ポートフォリオ

中

中

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、新規事業の立ち上げ、M&A等により、事業領域の拡大を目指しております。

 (2) - d

当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

d 事業価値評価/投資判断

(設備投資)

低

中

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図ります。

 (2) - e

当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

e 戦略に基づく実績測定

低

中

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を達成できない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

 (2) - f

当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

分類

発生可能性

影響度

(2) 意思決定

f 価格設定

中

小

当社グループが事業において受けている部材コストアップ、製品価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。昨今、多くの当社取引先部品メーカーが材料費の高騰を理由に部品価格の値上げを実施しています。一方で、当社顧客の半導体メーカーは材料費高騰を生産性の向上、テストコスト低減等で吸収しようと努力しており、当社製品価格低下への圧力は依然強い状況です。

また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

(3) 財務 価格リスク

 (3) - a

為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(3) 財務 価格

a 外国為替

高

大

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の96.1%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約73%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することはできないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建の金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

(4) 財務 流動性リスク

 (4) - a

当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

分類

発生可能性

影響度

(4) 財務 流動性

a 市場の集中

低

大

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度および当連結会計年度の売上高全体の約34%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

 (4) - b

当社グループは、必要な時に資金調達ができないリスクを有しています。

分類

発生可能性

影響度

(4) 財務 流動性

b キャッシュ・フロー

低

中

 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動により稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場が不安定になったり、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、資金調達が必要な場合には即時の資金借入やコミットメントライン設定ができるよう、複数の金融機関と友好関係を維持しております。

(5) ガバナンスリスク

 (5) - a

CEО等経営層の後継者計画が策定されない、または策定されても機能しない場合、経営の安定性と持続可能性が確保できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(5) ガバナンス

a サクセッションプラン

低

大

 当社グループでは、CEO等経営層の後継者計画については、指名報酬委員会が策定を進めております。しかしながら、後継者計画が策定されない、または策定されても機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、指名報酬委員会で、(1)求められる人材要件の整理、(2)候補者の選定、(3)時間をかけた候補者の育成、(4)候補者の人物評価、(5)候補者の決定等について審議、実行しております。さらに、取締役会は指名報酬委員会からの報告を受け、主体的にその内容について議論しております。

(6) 評判リスク

 (6) - a

当社グループは、ブランド力の毀損または信用喪失などにより、財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(6) 評判

a イメージ/ブランド力

低

大

 当社グループは、法令や社会的倫理に違反する行為、あるいは製造物責任を含む安全性・信頼性・製品性能などの低下によりブランド力の毀損または信用を喪失する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。

 なお、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥がないという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生や、製品の障害発生および不適切な障害対応による顧客対応費用の増大や、損害賠償請求などを受ける可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、コンプライアンス部を設置し、会社信用保全のために法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続して行っています。また、安全性・信頼性が高い製品の提供ができるように設計段階でのデザインレビューや製品の生産過程において様々な品質確認を行っている事に加え、品質保証部門によるクロスチェックにより、品質の安定化に努めています。

(7) 情報処理 / IT リスク

 (7) - a

当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(7) 情報処理/IT

a インフラ

低

大

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、生産設備と物流のデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有しているITシステムを洗い出し、用途・継続性と市場の新しい技術への代替を推進しております。また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会に繋げることに努めています。

 (7) - b

当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(7) 情報処理/IT

b セキュリティ

低

大

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。

(8) 業務運営リスク

 (8) - a

部品が調達できないことにより製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(8) 業務運営

a 外部からの調達

高

大

 当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して1社または少数のサプライヤーに依存しており、ほとんどの部品および部分品に関して長期間の供給契約を結ばずに個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全くなかった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールにしたがって、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。また、部品入手性を向上させる取り組みとして、主要サプライヤーとの供給保証契約の締結交渉や、前工程加工を済ませたウエハーの状態で備蓄する「ダイバンク」等で、中間品を確保する対応を行っております。

 (8) - b

労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(8) 業務運営

b 人的資本

中

中

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人材や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた人材の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 そのため、新卒採用のみならず、経験豊かな人材をグローバルベースで幅広く採用、確保するとともに、人事諸制度の見直しや社員教育を継続的に行い、社員の定着と育成に努めております。

 しかしながら、必要な人材を継続的に採用し維持するための競争は激しく、計画どおりに進まなかった場合、働く環境の改善が遅れることにより、当社グループの制度が時流に則さないものとなり従業員にとって魅力が薄れ人材が流出した場合、または社員教育が不十分であった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、中長期的な採用計画の策定、グローバルローテーション、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み、社員教育への投資等により人材の安定化を図っています。

 (8) - c

当社グループは、知的財産に関するリスクとして、第三者にその知的財産を侵害したと主張される可能性、および当社グループの知的財産を適切に保護できない可能性があります。

分類

発生可能性

影響度

(8) 業務運営

c ビジネスの中断

低

大

 当社グループは、意図せず第三者の知的財産権を侵害し、その結果、侵害の責任を問われる可能性があります。この場合、高額な賠償、裁判費用、またはライセンス料を支払わなければならない可能性や、製品を販売できなくなる可能性があります。

●対応

 当社グループは、リスクを軽減するため、第三者の知的財産を侵害することのないよう、製品開発時や製品出荷前において知的財産調査等の実施に努めています。

 また、当社グループは、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しております。しかし、当社グループの知的財産を侵害していると思われる第三者の製品を入手し侵害を立証することは一般的に困難でもあります。当社グループは、その知的財産権を第三者による侵害から保護することを重要と考え、今後も第三者の製品を監視し、適切な知的財産権の保護に努めてまいります。また、当社グループの顧客に対してもコンプライアンス遵守する旨、発信していきます。

2【事業等のリスク】

(1)当社のリスク管理体制について

 当社では、世界経済や事業環境全般における広範なリスクについて取締役会や経営会議にて議論を行うのに加え、代表取締役が委員長を務め、社外取締役がオブザーバーとして参加できる内部統制委員会が、アドバンテストグループの重要なリスクの全社横断的な洗い出しおよび分析を行い、リスクごとの責任部門と対応の方針と手順を明確にしております。また、内部統制システムの整備および運用状況、内部統制の評価過程にて重大な欠陥および重要な不備が発見された場合については、取締役会へ報告することとしております。

 当社は、代表取締役を本部長とする危機管理本部を設置し、洪水やパンデミック等の災害の緊急事態に対応しています。

 当社は、株主総会、取締役会の議事録および関連資料、取締役の職務執行に関する重要な文書を社内規定に基づいて保存管理しております。また、情報セキュリティ委員会を毎月開催し、個人情報の保護と機密情報の漏洩防止の対策、ITシステムのセキュリティの維持・向上を検討し、実施しております。

 当事業年度は、サイバー攻撃に対する模擬訓練を実施するとともに、フィッシングメールを受信した場合には、適宜従業員に注意喚起しております。また、役員および従業員に対してe-ラーニングによる情報セキュリティ教育を実施し、対象者全員が受講しております。

 リスク管理体制を含めた当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

(2)事業等のリスク

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

  a.当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響よる半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。

 世界的な半導体市場は、2018年は、後半に息切れした感はあるものの、前年からの高成長を維持したことにより、前年比13.7%の増加となりました。2019年は、米中貿易摩擦などの地政学的リスクが招いた世界経済成長の失速が、半導体市場にも大きな影響を与え、その結果、前年比12.0%の減少となりました。2020年は、世界経済が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響で低迷した一方、半導体市場は在宅時間の増加によるパソコンやタブレット端末の需要増加等、複数のプラス要因がこれを打ち消しました。その結果、前年比6.8%の増加となりました。

 SoC半導体の世界的売上は、2018年は、スマートフォンのさらなる高機能化に伴う旺盛な需要により、前年比7.3%の増加となりました。2019年は、不確実な経済情勢の中で最終製品需要や設備投資が減衰したものの、スマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続したため、前年比3.7%の減少にとどまりました。2020年は、リモートワークの拡大やスマートフォン高性能化を背景に堅調な需要環境が続きましたが、一方で米中摩擦先鋭化が影響し、前年比7.4%の増加にとどまりました。

 メモリ半導体の世界的売上は、2018年は前年からのデータセンターへの投資が継続し、前年比27.4%の増加となりました。2019年は、メモリ半導体の在庫過剰感から前年比32.6%の減少となりました。2020年は、データサーバーやゲーム機器関連が大幅に伸び、前年比31.7%の増加となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

· 世界経済の全体的な状況

· 半導体業界の動向

· 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

· データセンター、パソコンおよびサーバー業界の需要

· テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

· 自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

 2018年度の当社グループは、半導体試験装置業界でもっとも充実した製品ポートフォリオを有する強みを発揮し、幅広い顧客から新規の製品需要を取り込み、市場シェアを伸ばしました。その結果、売上高は前年比36.3%増加の282,456百万円となりました。損益面については、採算性が良い製品の売上高占め率の上昇や、当社および国内子会社従業員の年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴う清算益2,530百万円など一過性の利益35億円を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は56,993百万円となりました。2019年度は、大手半導体メーカー各社において半導体高性能化への取り組みが積極的に進められたことにより、半導体試験装置の需要が喚起され、とりわけ先端プロセスを用いた5G、4Gスマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続しました。しかしながら、メモリ半導体の在庫過剰感から、メモリ・テスタ市場は大きく縮小しました。その結果、売上高は前年比2.3%減少の275,894百万円となりました。損益面については、売上総利益率は前年を上回ったものの、将来の成長基盤強化として研究開発やサポート人員のリソース強化のため販管費が増加したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は53,532百万円となりました。2020年度は、コロナ禍の中でも半導体試験装置事業においてリモートワークの普及や巣ごもり消費の拡大を背景にデータセンターやゲーム機器関連の需要が持続したことに加え、スマートフォン関連領域において端末性能の競争を背景に生じた新規試験装置需要の取り込みに努めました。その結果、売上高は前年比13.4%増加の312,789百万円となりました。損益面については、売上総利益率の良い製品群の売上構成比が減少したものの、事業譲渡益やドイツ子会社の年金制度を統一した確定給付型年金制度へ移行したことに伴う利益など一過性の利益約81億円を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は69,787百万円となりました。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスや新規事業を含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

b.当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は83.3%、米州は9.6%、欧州は2.6%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシアなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

· 米中貿易摩擦等の保護主義政策を受けて輸出入制限や許認可制度の歪みにより当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク

· 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

· 感染症を含む疫病がグローバル経済発展に伴い世界へ拡散することにより、人の移動、物流を阻害し経済全体が停滞するリスク

· パンデミックにより特定地域のサプライヤーの生産工場の閉鎖、稼働低下、また移動手段の制限による調達リスク

· 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

· 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響

· 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

· 事業展開が広範囲に及ぶための人事・管理面の困難性

· 異なる知的財産保護制度

· 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

· サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

· 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク

· サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

· サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク

 当社グループは、リスクを軽減するため、海外拠点のリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、調達ルートの拡張や生産拠点の柔軟化を図り、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達基本方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っております。

c.当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に関して以下のリスクを想定しています。

① 当社グループ、顧客、サプライヤーの従業員が感染することによる業務中断や効率低下

② 世界各地の移動制限や都市封鎖が長期化することで生じる次の問題

 i)   当社グループや委託先において製造人員の安定確保ができないことによる製品供給能力低下

 ii)  移動制限による顧客サポート能力低下

 iii) 世界的規模のサプライチェーン寸断(部材調達難、物流遮断等)による製品供給能力低下

③ 世界経済の急激な悪化による最終需要減とエレクトロニクス業界全体への波及、半導体市場および半導体製造装置市場の減速

④ 顧客のサプライチェーン変動などを通じ、半導体産業の構造が中期的に大きく変化する可能性

⑤ ポストコロナ時の人々の生活様式および社会の変化がもたらす事業環境の変容

 当社グループは、リスクを軽減するため、社長直轄の危機管理本部にて、(1)在宅勤務、出張禁止など従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、(2)顧客へのオンラインサポート、(3)生産、販売、在庫、物流状況の世界レベルでの把握、(4)感染者が発生した場合のBCP対策、(5)グループ会社間の支援物資融通、(6)資金管理等を行い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を行っています。

d.当社グループが顧客の技術面の要求に応える新製品をタイムリーにかつ競争力ある価格で投入しなかった場合、既存の製品が陳腐化し、財務状況と業績に影響を及ぼします。

 当社グループは、技術変化が激しく、新製品・サービスの導入が頻繁であり、製品ライフサイクルが不定で予測しにくく、業界基準が常時進歩するいくつかの業界に向けて製品を販売しております。当社製品への将来の需要の大部分は、現在設置されているシステムでは十分に対応できない、新しい試験ニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。このような技術革新に対する顧客のニーズと市場環境に対応した低コスト化や高効率化の顧客のニーズは、以下のとおりであります。

· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサー回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV(Through-Silicon Via)技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション

· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品への需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末およびサーバーに対する需要の水準に、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いた機器を試験、測定できるテストシステムを迅速に投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術面の要求に競争力のある価格で応えられない場合、または適合性のある製品をタイムリーに提供できない場合、競合先の製品または代替の技術ソリューションにより置き換えられる可能性があります。また、回復局面において業容に合わせた人員を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求した性能基準を満たした製品を受入れ可能な価格で提供できないと、その顧客による評価が大きく損なわれることになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、リーディングカスタマーとの技術交流会等のイベントを開催し、最先端ソリューションを情報交換する機会を設けることで、次の技術革新、新製品・新市場の創出をいち早く的確にとらえることに努めています。また、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎研究と、製品開発の初期段階から量産準備に向けた生産技術開発を行っています。さらに、PDF Solutions社と業務提携したことにより半導体製造工程のデータ分析を活用することで顧客ニーズをタイムリーに捉え、潜在的な需要を考慮した新製品の研究を行っております。

e.CEО等の後継者計画が策定されない、または策定されても機能しない場合、経営の安定性と持続可能性が確保できない可能性があります。

 当社グループでは、CEO等の後継者計画については、指名報酬委員会にて審議の上、取締役会が主体となって策定を進めております。しかしながら、後継者計画が策定されない、または策定されても機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、後継者計画の重要性を認識した上、指名報酬委員会で、(1)求められる人材要件、(2)候補者の選定、(3)時間をかけた候補者の育成、(4)指名報酬委員による候補者の人物評価、(5)候補者の決定等について審議を進めております。

f.部品および部分品に関して独占的または少数のサプライヤーへの依存を原因に、製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して、1社または少数のサプライヤーに依存しております。当社グループは、ほとんどのサプライヤーと長期間の供給契約を結んでおらず、ほとんどの部品および部分品を個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。半導体または特殊部品の市場においては、過去に需要に対し供給が不足した時期がありました。また、大規模な災害や電力不足が発生した場合も部品が不足する可能性があります。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。当社グループは過去において、サプライヤーが当社グループの仕様に合った部品を提供できなかったこと、またはその他の部品不足を原因にスケジュールどおりに製品を出荷できなかったことがあります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全く無かった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールに従って、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。

g.当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Cohu, Inc.、YIK Corp.、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、および Hon. Precision, Inc.等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ESA Electronics Pte Ltd.、TFE Inc.および ISC.Ltd等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保の為、コア技術部品のベンダーを買収したり、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

h.当社グループは、策定した戦略や中長期の経営目標を達成できない可能性があります。

 中長期の経営目標等の達成は、当社グループや顧客に影響を及ぼす経済や市場の動向、競合状況、設備投資水準、当社グループ製品の需要と為替レートの変動を含む様々な内外の要因に影響されます。したがって、戦略や中長期の経営目標値(適時修正される)は、将来の業績予測として見なすべきではありません。中長期経営目標達成のための戦略の実行が成功する、その実行が意図する結果をもたらす、中長期経営目標またはそれ以外の目標(定量的、定性的を問わない、適時修正される。)が期限までに達成される、あるいはそれらの目標が将来経営者によって変更されないという保証はありません。

 当社グループは、取締役会、経営会議や内部統制委員会等でリスク分析を行い、どのような変化が、どれくらい業績に影響をもたらすかというシナリオを継続的に検証し、目標達成できるよう努めています。

i.当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約30%および当連結会計年度の同約34%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

j.当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

 当社グループが事業において受けている価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。半導体の需要が数量ベースで増加している時においても、半導体価格の低下は進行しているため、半導体・部品テストシステム事業およびメカトロニクス関連製品に対する価格低下圧力が続いております。顧客である半導体メーカーや、ファウンドリーおよびテストハウスは、急激な半導体価格の低下が起きている時期に、生産能力を増強しようとしながらも、設備投資額を抑えようとします。デジタル・コンシューマー機器とパソコン市場に加え、スマートフォンおよびウエアラブルなどのモバイル機器市場、データサーバー市場および車載半導体市場における競争激化により価格が低下し、それにより当社グループの製品にも値下げ圧力がかかります。半導体価格の低下が止まらない場合、顧客は既存の設備の改造や使い方の工夫により、新品の設備投資を抑える可能性もあります。また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

k.為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の95.5%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約65%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することは出来ないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建の金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

l.当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を上げられない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

m.当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、新規事業の立ち上げ、M&A等により、事業領域の拡大を目指しております。

n.企業買収や資本業務提携により生じるのれんおよび無形資産等は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは資本業務提携の推進等を目的として投資有価証券等を保有しております。株価の著しい下落、もしくは当該株式の発行会社の財政状態の著しい悪化により減損処理を行った場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

o.主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこのBCP計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、BCP計画を策定するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

p.当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図ります。

q.当社グループは、ブランド力の毀損または信用喪失などにより、財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、法令や社会的倫理に違反する行為、あるいは製造物責任を含む安全性・信頼性・製品性能などの低下によりブランド力の毀損または信用を喪失する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。

 なお、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥が無いという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生や、製品の障害発生および不適切な障害対応による顧客対応費用の増大や、損害賠償請求などを受ける可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、コンプライアンス委員会を設置し、会社信用保全のために法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続して行っています。また、安全性・信頼性が高い製品の提供ができるように設計段階でのデザインレビューや製品の生産過程において様々な品質確認を行っている事に加え、品質管理部門によるクロスチェックに努め、品質の安定化に努めています。

r.利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制にかかる化学物質の動向ならび法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。

s.当社グループは、必要な時に資金調達が出来ないリスクを有しています。

 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動より稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場が不安定になったり、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、

資金調達が必要な場合には即時の資金借入やコミットメントライン設定ができるよう、複数の金融機関と友好関係を維持しております。

t.当社グループは、知的財産に関するリスクとして、第三者にその知的財産を侵害したと主張される可能性、および当社グループの知的財産を適切に保護できない可能性があります。

 当社グループは、意図せず第三者の知的財産権を侵害し、その結果、侵害の責任を負わされる可能性があります。この場合、高額な賠償、裁判費用、またはライセンス料を支払わなければならない可能性や、製品を販売できなくなる可能性があります。当社グループは、リスクを軽減するため、製品開発時や製品出荷前において、第三者の知的財産を侵害することのないよう、知的財産調査等の実施に努めています。

 また、当社グループは、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しております。しかし、当社グループの知的財産を侵害していると思われる第三者の製品を入手し侵害を立証することは一般的に困難でもあります。当社グループは、その知的財産権を第三者による侵害から保護することを重要と考え、今後も第三者の製品を監視し、適切な知的財産権の保護に努めてまいります。また、当社グループの顧客に対してもコンプライアンス遵守を発信していきます。

u.労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人材や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた人材の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 そのため、新卒採用のみならず、経験豊かな人材をグローバルベースで幅広く採用、確保するとともに、人事諸制度の見直しや社員教育を継続的に行い、社員の定着と育成に努めております。

 しかしながら、必要な人材を継続的に採用し維持するための競争は激しく、計画どおりに進まなかった場合、または働く環境の改善が遅れることにより、当社グループの制度が時流に則さないものとなり従業員にとって魅力が薄れ人材が流出した場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、中長期的な採用計画の策定、グローバルローテーション、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み等により人材の安定化を図っています。

v.当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、生産設備と物流のデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有しているITシステムを洗い出し、用途・継続性と市場の新しい技術への代替を検討しております。また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会に繋げることに努めています。

w.当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。

x.気候変動対策の遅れや不十分さが、中長期的に当社グループの事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

 パリ協定以降、気候変動に対する取り組みはグローバルかつ地球規模の社会課題となりました。特に地球温暖化が進むことで異常気象(激甚災害)を引き起こし、住環境・交通への影響は元より、生産・加工業の操業中断、畜産・農海産物の収穫への被害など、今後その影響が拡大していくリスクがあります。また、中長期的には、海面上昇や、永久凍土の融解によるさまざまな温室効果ガス(GHG)の大量漏出など、人類がこれまでに経験したことのない危機も懸念されています。これらの課題は、個社単独の施策で解決できるものではなく、個社およびそのバリューチェーンに関わるすべてのステークホルダーと協働して対策を進めていくことが肝要と考えています。

 気候変動対策の遅れや不十分さによる当社グループ事業へ与える主なリスクとしては、下記があげられます。換言すれば、気候変動対策を適時・適切に推進することが、当社グループの中長期的な事業機会の維持・拡大につながると考えています。

・顧客のサプライチェーンから除外され、売上減少につながるリスク

・法規制・環境規制に抵触することによるペナルティーや事業機会の縮小リスク

・激甚災害発生による、当社グループの従業員・施設への被害およびサプライチェーンの寸断による事業中断リスク

・炭素税など、税負担の増加リスク

 当社グループは、リスクを軽減するため、2020年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明、また同年7月に「RE100」に加盟した上で、気候変動対策に関する国際基準に準拠した長期目標を掲げ施策を継続的に推進しています。

・再生可能エネルギー導入推進(2030年までに70%以上)

・Scope 1+2のCO2排出量削減(2030年までに60%削減)

・Scope 3のCO2排出量削減(2030年までに50%削減)

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

  a.当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 世界的な半導体市場は、2017年は、幅広い電子機器向けの半導体に対する旺盛な需要により、前年比21.6%の増加となりました。2018年は、後半に息切れした感はあるものの、前年からの高成長を維持したことにより、前年比13.7%の増加となりました。2019年は、米中貿易摩擦などの地政学的リスクが招いた世界経済成長の失速が、半導体市場にも大きな影響を与え、その結果、前年比12.0%の減少となりました。

 SoC半導体の世界的売上は、2017年は、自動車電装化の進展を背景に、車載半導体やデータセンターの需要が堅調だったため、前年比9.6%の増加となりました。2018年は、スマートフォンのさらなる高機能化に伴う旺盛な需要により、前年比7.3%の増加となりました。2019年は、不確実な経済情勢の中で最終製品需要や設備投資が減衰したものの、スマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続したため、前年比3.7%の減少にとどまりました。

 メモリ半導体の世界的売上は、2017年は、データセンター関連の半導体に対する旺盛な需要により、各メモリ半導体メーカーの設備投資が積極的に行われたため、前年比61.5%の増加となりました。2018年も前年からのデータセンターへの投資が継続し、前年比27.4%の増加となりました。2019年は、メモリ半導体の在庫過剰感から前年比32.6%の減少となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

· 世界経済の全体的な状況

· 半導体業界の動向

· 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

· データセンタ、パソコンおよびサーバ業界の需要

· テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

· 自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

 2017年度の当社グループは、伸長著しいメモリ半導体や車載半導体向けの試験装置需要の取り込み、および半導体試験周辺機器の一層の拡販に努めました。また、足元の急峻な製品需要の伸びに追随すべく、生産能力の改善にも取り組みました。その結果、売上高は前年比32.9%増加の207,223百万円となりました。損益面については、採算性が良い製品の売上高比率の低下、ナノテクノロジー事業における棚卸資産評価損の計上などで売上総利益率は前期を下回ったものの、事業効率改善に努めたことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,103百万円となりました。2018年度は、半導体試験装置業界でもっとも充実した製品ポートフォリオを有する強みを発揮し、幅広い顧客から新規の製品需要を取り込み、市場シェアを伸ばしました。その結果、売上高は前年比36.3%増加の282,456百万円となりました。損益面については、採算性が良い製品の売上高占め率の上昇や、当社および国内子会社従業員の年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴う清算益2,530百万円など一過性の利益35億円を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は56,993百万円となりました。2019年度は、大手半導体メーカー各社において半導体高性能化への取り組みが積極的に進められたことにより、半導体試験装置の需要が喚起され、とりわけ先端プロセス用いた5G、4Gスマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続しました。しかしながら、メモリ半導体の在庫過剰感から、メモリ・テスタ市場は大きく縮小しました。その結果、売上高は前年比2.3%減少の275,894百万円となりました。損益面については、売上総利益率は前年を上回ったものの、将来の成長基盤強化として研究開発やサポート人員のリソース強化のため販管費が増加したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は53,532百万円となりました。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスや新規事業を含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

b.当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は85.7%、米州は6.7%、欧州は2.2%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシアなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

· 米中貿易摩擦等の保護主義政策を受けて輸出入制限や許認可制度の歪みにより当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク

· 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

· 感染症を含む疫病がグローバル経済発展に伴い世界へ拡散することにより、人の移動、物流を阻害し経済全体が停滞するリスク

· パンデミックにより特定地域のサプライヤーの生産工場の閉鎖、稼働低下、また移動手段の制限による調達リスク

· 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

· 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響

· 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

· 事業展開が広範囲に及ぶための人事・管理面の困難性

· 異なる知的財産保護制度

· 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

· サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

· 気候温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク

· サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

 当社グループは、リスクを軽減するため、海外拠点のリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、調達ルートの拡張や生産拠点の柔軟化を図り、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。

c.当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に関して以下のリスクを想定しています。

① 当社グループ、顧客、サプライヤーの従業員が感染することによる業務中断や効率低下

② 世界各地の移動制限や都市封鎖が長期化することで生じる次の問題

 i)   当社グループや委託先において製造人員の安定確保ができないことによる製品供給能力低下

 ii)  移動制限による顧客サポート能力低下

 iii) 世界的規模のサプライチェーン寸断(部材調達難、物流遮断等)による製品供給能力低下

③ 世界経済の急激な悪化による最終需要減とエレクトロニクス業界全体への波及、半導体市場および半導体製造装置市場の減速

④ 顧客のサプライチェーン変動などを通じ、半導体産業の構造が中期的に大きく変化する可能性

⑤ ポストコロナ時の人々の生活様式および社会の変化がもたらす事業環境の変容

 当社グループは、リスクを軽減するため、社長直轄の危機管理本部にて、(1)在宅勤務、出張禁止など従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、(2)顧客へのオンラインサポート、(3)生産、販売、在庫、物流状況の世界レベルでの把握、(4)感染者が発生した場合のBCP対策、(5)グループ会社間の支援物資融通、(6)資金管理等を行い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を行っています。

d.当社グループが顧客の技術面の要求に応える新製品をタイムリーにかつ競争力ある価格で投入しなかった場合、既存の製品が陳腐化し、財務状況と業績に影響を及ぼします。

 当社グループは、技術変化が激しく、新製品・サービスの導入が頻繁であり、製品ライフサイクルが不定で予測しにくく、業界基準が常時進歩するいくつかの業界に向けて製品を販売しております。当社製品への将来の需要の大部分は、現在設置されているシステムでは十分に対応できない、新しい試験ニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。このような技術革新に対する顧客のニーズと市場環境に対応した低コスト化や高効率化の顧客のニーズは、以下のとおりであります。

· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサー回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV(Through-Silicon Via)技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション

· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

· IC試作のターンアラウンドタイム(TAT)の短縮、および高付加価値デバイスの少量生産に対応したソリューション

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品への需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末およびサーバに対する需要の水準に、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いた機器を試験、測定できるテストシステムを迅速に投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術面の要求に競争力のある価格で応えられない場合、または適合性のある製品をタイムリーに提供できない場合、競合先の製品または代替の技術ソリューションにより置き換えられる可能性があります。また、回復局面において業容に合わせた人員を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求した性能基準を満たした製品を受入れ可能な価格で提供できないと、その顧客による評価が大きく損なわれることになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、リーディングカスタマーとの技術交流会等のイベントを開催し、最先端ソリューションを情報交換する機会を設けることで、次の技術革新、新製品・新市場の創出をいち早く的確にとらえることに努めています。さらに、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎研究と、製品開発の初期段階から量産準備に向けた生産技術開発を行っています。

e.CEО等の後継者計画が策定されない、または策定されても機能しない場合、経営の安定性と持続可能性が確保できない可能性があります。

 当社グループでは、CEO等の後継者計画については、指名報酬委員会にて審議の上、取締役会が主体となって策定を進めております。しかしながら、後継者計画が策定されない、または策定されても機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、後継者計画の重要性を認識した上、指名報酬委員会で、(1)求められる人材要件、(2)候補者の選定、(3)時間をかけた候補者の育成、(4)指名報酬委員による候補者の人物把握、(5)候補者の決定等について審議を進めております。

f.部品および部分品に関して独占的または少数のサプライヤーへの依存を原因に、製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して、1社または少数のサプライヤーに依存しております。当社グループは、ほとんどのサプライヤーと長期間の供給契約を結んでおらず、ほとんどの部品および部分品を個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。半導体または特殊部品の市場においては、過去に需要に対し供給が不足した時期がありました。また、大規模な災害や電力不足が発生した場合も部品が不足する可能性があります。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。当社グループは過去において、サプライヤーが当社グループの仕様に合った部品を提供できなかったこと、またはその他の部品不足を原因にスケジュールどおりに製品を出荷できなかったことがあります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全く無かった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールに従って、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。

g.当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Cohu, Inc.、YIK Corp.、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、および Hon. Technologies, Inc.等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ESA Electronics Pte Ltd.、TFE Inc.および Techwing Inc.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、競合企業にコア技術部品の供給ベンダーが買収されたり、PCB製造技術が流出した場合、顧客のテストコストの削減や、製品の性能の実現が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマ・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

h.当社グループは、策定した戦略や中長期の経営目標を達成できない可能性があります。

 中長期の経営目標等の達成は、当社グループや顧客に影響を及ぼす経済や市場の動向、競合状況、設備投資水準、当社グループ製品の需要と為替レートの変動を含む様々な内外の要因に影響されます。したがって、戦略や中長期の経営目標値(適時修正される)は、将来の業績予測として見なすべきではありません。中長期経営目標達成のための戦略の実行が成功する、その実行が意図する結果をもたらす、中長期経営目標またはそれ以外の目標(定量的、定性的を問わない、適時修正される。)が期限までに達成される、あるいはそれらの目標が将来経営陣によって変更されないという保証はありません。

 当社グループは、取締役会、常務会や内部統制委員会等でリスク分析を行い、どのような変化が、どれくらい業績に影響をもたらすかというシナリオを継続的に検証し、目標達成できるよう努めています。

i.当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約37%および当連結会計年度の同約30%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

j.当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

 当社グループが事業において受けている価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及します。半導体の需要が数量ベースで増加している時においても、半導体価格の低下は進行しているため、半導体・部品テストシステム事業およびメカトロニクス関連製品に対する価格低下圧力が続いております。顧客である半導体メーカーや、ファウンドリーおよびテストハウスは、急激な半導体価格の低下が起きている時期に、生産能力を増強しようとしながらも、設備投資額を抑えようとします。デジタル・コンシューマー機器とパソコン市場に加え、スマートフォンおよびウエアラブルなどのモバイル機器市場、データサーバ市場および車載半導体市場における競争激化により価格が低下し、それにより当社グループの製品にも値下げ圧力がかかります。半導体価格の低下が止まらない場合、顧客は既存の設備の改造や使い方の工夫により、新品の設備投資を抑える可能性もあります。また、近年、2社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

k.為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の94.6%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約66%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することは出来ないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建の金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

l.当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を上げられない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

m.当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、新規事業の立ち上げ、M&A等により、事業領域の拡大を目指しております。

n.企業買収により生じるのれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

o.主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにネットワークサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこの事業継続計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、BCP計画を策定するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

p.当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。2012年度から2013年度にかけては、韓国の大手顧客への販売シェア拡大のため、韓国に新工場を建設し2013年5月に操業を開始しました。このような設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図ります。

q.当社グループは、信用またはブランド力の毀損により財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、製品の性能や信頼性の低下、あるいは法令や社会的倫理に違反する行為により信用またはブランド力を毀損する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、信頼性の高い製品の提供ができるように設計段階でのデザインレビューや品質管理部門のクロスチェックに努めております。また、会社信用保全のために、コンプライアンス委員会を設置し、法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続しております。

r.利用している化学物質に対する規制が強化され、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制にかかる化学物質の動向についてモニターするとともに、代替技術の検討を行っています。

s.当社グループは、必要な時に資金調達が出来ないリスクを有しています。

 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動より稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場が不安定になったり、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、

資金調達が必要な場合には即時の資金借入やコミットメントライン設定ができるよう、複数の金融機関と友好関係を維持しております。

t.第三者がその知的財産を当社グループによって侵害されたと主張する可能性があり、その結果高額な賠償、裁判費用またはライセンス料を支払わなければならなくなり、製品を販売できなくなる可能性があります。

 当社グループは意図しないまま第三者の知的財産権を侵害し、その結果侵害の責任を負わされる可能性があります。今日まで、当社グループに対して知的財産権侵害に関わる重大な申立てが行われたことはありません。しかし、特許またはその他の知的財産権の侵害をめぐる裁判は、多大な出費と時間を伴い、経営陣または重要な人材が事業運営に注力できなくなる可能性があります。当社グループが勝訴できなかった場合、多額の賠償金の支払、ライセンス料の支払、製品または工程の変更、製品の製造中止または工程の使用中止などを余儀なくされる可能性があります。ライセンスは非常に高価な場合もあり、または全く取得できない場合もあります。第三者の知的財産権を侵害しないように製品または工程に変更を加えることは、多大な出費を要する場合や、実行不可能な場合があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、製品開発時や製品出荷前において、他社の知的財産を侵害することのないよう、知的財産調査等の実施に努めています。

u.当社グループの知的財産権を侵害している疑いのある製品を入手し調査することは困難なため、知的財産権を保護できない可能性があります。

 当社グループは、その独自の権利を保護するために、各国で取得した特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権などに依存しております。例えば、デバイス・インタフェース市場において、模造品を販売するメーカーに対して特許権および実用新案権に基づく法的手段を講じ、場合によっては販売を差し止めてきました。知的財産権が侵害された場合、当社グループの市場シェアや業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 一方で、知的財産権が侵害されていると思われる製品を入手し調査することは一般的に困難であります。そのため、保有している知的財産権によって自社の権利を十分に保護していると保証できるわけではありませんが、当社グループはその知的財産権を第三者の侵害から保護することを重要と考え、今後も引き続きその知的財産権を監視し、権利行使に努めてまいります。また、当社顧客に対してもコンプライアンス遵守を発信していきます。

v.労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人材や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた人材の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 そのため、新卒採用のみならず、経験豊かな人材をグローバルベースで幅広く採用、確保するとともに、人事諸制度の見直しや社員教育を継続的に行い、社員の定着と育成に努めております。

 しかしながら、必要な人材を継続的に採用し維持するための競争は激しく、計画どおりに進まなかった場合、または働く環境の改善が遅れることにより、当社グループの制度が時流に則さないものとなり従業員にとって魅力が薄れ人材が流出した場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、中長期的な採用計画の策定、グローバルローテーション、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み等により人材の安定化を図っています。

w.当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、生産設備と物流のデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、保有しているITシステムを洗い出し、用途・継続性と市場の新しい技術への代替を検討しております。また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会に繋げることに努めています。

x.当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化やCISRT(Computer Incident Security Response Team)の設置による事故への即応体制の構築を行うとともに、定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。

y.当社グループは、製品の欠陥や製造物責任による顧客の信用の喪失などにより、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥が無いという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生、製品の障害発生および不適切な障害対応により、顧客の信用の喪失、顧客対応費用の増大、損害賠償請求があった場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、リスクを軽減するため、製品に関しては、品質管理部門のチェックにより信頼性の確保に努めております。

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性ある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

  a.当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。

 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

 世界的な半導体市場は、2016年は、スマートフォンの高機能化と販売台数の拡大などにより、前年比1.1%の増加となりました。2017年は、幅広い電子機器向けの半導体に対する旺盛な需要により、前年比21.6%の増加となりました。2018年は、後半に息切れした感はあるものの、前年からの高成長を維持したことにより、前年比13.7%の増加となりました。

 SoC半導体の世界的売上は、2016年は、スマートフォン向けの設備投資等が堅調だったため、前年比1.3%の増加となりました。2017年は、自動車電装化の進展を背景に、車載半導体やデータセンターの需要が堅調だったため、前年比9.6%の増加となりました。2018年は、スマートフォンのさらなる高機能化に伴う旺盛な需要により、前年比7.3%の増加となりました。

 メモリ半導体の世界的売上は、2016年は、夏場以降にスマートフォンや高速サーバー向けに需要が高まったものの、前年には及ばず、前年比0.6%の減少となりました。2017年は、データセンター関連の半導体に対する旺盛な需要により、各メモリ半導体メーカーの設備投資が積極的に行われたため、前年比61.5%の増加となりました。2018年も前年からのデータセンターへの投資が継続し、前年比27.4%の増加となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

· 世界経済の全体的な状況

· 半導体業界の動向

· 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンおよびウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

· パソコンおよびデータサーバ業界の需要

· テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

· 自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

 2016年度の当社グループは、顧客の投資意欲が大きく改善したメモリ半導体関連の新規需要獲得を中心に、業績向上に向け取り組みました。その結果、売上は円高による減収影響を受けながらも前年比3.8%減少の155,916百万円となりました。損益面については、前期比減収となったものの、採算性の良い製品の売上高比率が前期に比べ上昇したこと、繰延税金資産の計上などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は14,201百万円となりました。前連結会計年度は、伸長著しいメモリ半導体や車載半導体向けの試験装置需要の取り込み、および半導体試験周辺機器の一層の拡販に努めました。また、足元の急峻な製品需要の伸びに追随すべく、生産能力の改善にも取り組みました。その結果、売上高は前年比32.9%増加の207,223百万円となりました。損益面については、採算性が良い製品の売上高比率の低下、ナノテクノロジー事業における棚卸資産評価損の計上などで売上総利益率は前期を下回ったものの、事業効率改善に努めたことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,103百万円となりました。当連結会計年度は、半導体試験装置業界でもっとも充実した製品ポートフォリオを有する強みを発揮し、幅広い顧客から新規の製品需要を取り込み、市場シェアを伸ばしました。その結果、売上高は前年比36.3%増加の282,456百万円となりました。損益面については、採算性が良い製品の売上高占め率の上昇や、当社および国内子会社従業員の年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴う清算益2,530百万円など一過性の利益35億円を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は56,993百万円となりました。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。

b.当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は87.4%、米州は4.8%、欧州は2.5%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア諸国に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシアなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

· 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

· 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

· 貿易保護政策と輸出入の許認可制度

· 税法の改定による潜在的なマイナス影響

· 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

· 事業展開が広範囲に及ぶための人事・管理面の困難性

· 異なる知的財産保護制度

· 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

· サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

· サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

c.当社グループが顧客の技術面の要求に応える新製品をタイムリーにかつ競争力ある価格で投入しなかった場合、既存の製品が陳腐化し、財務状況と業績に影響を及ぼします。

 当社グループは、技術変化が激しく、新製品・サービスの導入が頻繁であり、製品ライフサイクルが不定で予測しにくく、業界基準が常時進歩するいくつかの業界に向けて製品を販売しております。当社製品への将来の需要の大部分は、現在設置されているシステムでは十分に対応できない、新しい試験ニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると、予測しております。このような技術革新に対する顧客のニーズと市場環境に対応した低コスト化や高効率化の顧客のニーズは、以下のとおりであります。

· より高度なメモリ半導体、ロジックまたはアナログ回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV(Through-Silicon Via)技術により、三次元に高集積化されたICや小型化、高性能化を実現するためにRF、ロジックおよびメモリチップを一つのパッケージに収めた複合ICに対応したソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

· IC試作のターンアラウンドタイム(TAT)の短縮、および高付加価値デバイスの少量生産に対応したソリューション

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品への需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末およびデータサーバに対する需要の水準に、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要となると思われます。当社グループが新技術を用いた機器を試験、測定できるテストシステムを迅速に投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術面の要求に競争力のある価格で応えられない場合、または適合性のある製品をタイムリーに提供できない場合、競合先の製品または代替の技術ソリューションにより置き換えられる可能性があります。また、回復局面において業容に合わせた人員を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求した性能基準を満たした製品を受入れ可能な価格で提供できないと、その顧客による評価が大きく損なわれることになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

d.部品および部分品に関して独占的または少数のサプライヤーへの依存を原因に、製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面することになります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して、1社または少数のサプライヤーに依存しております。当社グループは、ほとんどのサプライヤーと長期間の供給契約を結んでおらず、ほとんどの部品および部分品を個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。半導体または特殊部品の市場においては、過去に需要に対し供給が不足した時期がありました。また、大規模な災害や電力不足が発生した場合も部品が不足する可能性があります。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。当社グループは過去において、サプライヤーが当社グループの仕様に合った部品を提供できなかったこと、またはその他の部品不足を原因にスケジュールどおりに製品を出荷できなかったことがあります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全く無かった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

e.当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Cohu, Inc.、YIK Corp.、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、および Hon. Technologies, Inc.等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Semes Co., Ltd.、SL-link Co., Ltd. および Techwing Inc.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、競合企業にコア技術部品の供給ベンダーが買収されたり、PCB製造技術が流出した場合、顧客のテストコストの削減や、製品の性能の実現が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマ・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。

f.当社グループは、策定した戦略や中長期の経営目標を達成できない可能性があります。

 中長期の経営目標等の達成は、当社グループや顧客に影響を及ぼす経済や市場の動向、競合状況、設備投資水準、当社グループ製品の需要と為替レートの変動を含む様々な内外の要因に影響されます。したがって、戦略や中長期の経営目標値(適時修正される)は、将来の業績予測として見なすべきではありません。中長期経営目標達成のための戦略の実行が成功する、その実行が意図する結果をもたらす、中長期経営目標またはそれ以外の目標(定量的、定性的を問わない、適時修正される。)が期限までに達成される、あるいはそれらの目標が将来経営陣によって変更されないという保証はありません。

g.当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約37%および当連結会計年度の同約37%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の敗退が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

h.当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

 当社グループが事業において受けている価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼしております。半導体の需要が数量ベースで増加している時においても、半導体価格の低下は進行しているため、半導体・部品テストシステム事業およびメカトロニクス関連製品に対する価格低下圧力が続いております。顧客である半導体メーカーや、ファウンドリーおよびテストハウスは、急激な半導体価格の低下が起きている時期に、生産能力を増強しようとしながらも、設備投資額を抑えようとします。デジタル・コンシューマー機器とパソコン市場に加え、スマートフォンおよびウエアラブルなどのモバイル機器市場、データサーバ市場および車載半導体市場における競争激化により価格が低下し、それにより当社グループの製品にも強い値下げ圧力がかかります。半導体価格の低下が止まらない場合、顧客は既存の設備の改造や使い方の工夫により、新品の設備投資を抑える可能性もあります。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

i.為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の94.7%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約58%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外国の通貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することは出来ないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(特に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による発注の取消しまたは先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、連結財務諸表の報告通貨である円に換算する必要のある外貨建ての金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

j.当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を上げられない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

k.当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

l.企業買収により生じるのれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

m.主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにネットワークサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生します。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこの事業継続計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

n.当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。2012年度から2013年度にかけては、韓国の大手顧客への販売シェア拡大のため、韓国に新工場を建設し2013年5月に操業を開始しました。このような設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

o.当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

 当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する以下のような要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品の長期間にわたる販売プロセス

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品市場の比較的に少ない総販売台数

· 顧客側による発注キャンセルまたは設備投資の先送り

· 顧客の財務状況を原因とする売掛金回収の遅延や貸倒れおよび貸倒引当金の増加

· 製品保証費や棚卸資産評価損の増加

· 製品の性能または信頼性の事実上または風評上の低下、またはそのことによるブランド力の低下

p.利用している化学物質に対する規制が強化され、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。

q.第三者がその知的財産を当社グループによって侵害されたと主張する可能性があり、その結果高額な賠償、裁判費用またはライセンス料を支払わなければならなくなり、製品を販売できなくなる可能性があります。

 当社グループは意図しないまま第三者の知的財産権を侵害し、その結果侵害の責任を負わされる可能性があります。今日まで、当社グループに対して知的財産権侵害に関わる重大な申立てが行われたことはありません。しかし、特許またはその他の知的財産権の侵害をめぐる裁判は、多大な出費と時間を伴い、経営陣または重要な人材が事業運営に注力できなくなる可能性があります。当社グループが勝訴できなかった場合、多額の賠償金の支払、ライセンス料の支払、製品または工程の変更、製品の製造中止または工程の使用中止などを余儀なくされる可能性があります。ライセンスは非常に高価な場合もあり、または全く取得できない場合もあります。第三者の知的財産権を侵害しないように製品または工程に変更を加えることは、多大な出費を要する場合や、実行不可能な場合があります。

r.当社グループの知的財産権を侵害している疑いのある製品を入手し調査することは困難なため、知的財産権を保護できない可能性があります。

 当社グループは、その独自の権利を保護するために、各国で取得した特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権などに依存しております。例えば、デバイス・インタフェース市場において、模造品を販売するメーカーに対して特許権および実用新案権に基づく法的手段を講じ、場合によっては販売を差し止めてきました。知的財産権が侵害された場合、当社グループの市場シェアや業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 一方で、知的財産権が侵害されていると思われる製品を入手し調査することは一般的に困難であります。そのため、保有している知的財産権によって自社の権利を十分に保護していると保証できるわけではありませんが、当社グループはその知的財産権を第三者の侵害から保護することに積極的であり、今後も引き続きその知的財産権を監視し、権利行使を行ってまいります。

s.労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人材や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた人材の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。

 そのため、新卒採用のみならず、経験豊かな人材をグローバルベースで幅広く採用、確保するとともに、人事諸制度の見直しや社員教育を継続的に行い、社員の定着と育成に努めております。

 しかしながら、必要な人材を継続的に採用し維持するための競争は激しく、計画どおりに進まなかった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

t.当社グループがITシステムのデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタルトランスフォーメーションは、シェアリングエコノミーの実現、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、生産設備と物流のデータ共有による新価値創出など幅広い分野で期待が高まっています。

 しかし、当社グループがデジタルトランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

u.当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

v.当社グループは、製品の欠陥や製造物責任による顧客の信用の喪失などにより、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥が無いという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生、製品の障害発生および不適切な障害対応により、顧客の信用の喪失、顧客対応費用の増大、損害賠償請求があった場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性ある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

  a.当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

  当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

  世界的な半導体市場は、2015年は、スマートフォン等の電子機器の需要が鈍化したため、前年比0.2%の減少となりました。2016年は、スマートフォンの高機能化と販売台数の拡大などにより、前年比1.1%の増加となりました。2017年は、幅広い電子機器向けの半導体に対する旺盛な需要により、前年比21.6%の増加となりました。非メモリ半導体の世界的売上は、2015年は、スマートフォン等の電子機器の需要が伸びず、前年比0.4%の減少となりました。2016年は、スマートフォン向けの設備投資等が堅調だったため、前年比1.3%の増加となりました。2017年は、自動車電装化の進展を背景に、車載半導体やセンターの需要が堅調だったため、前年比9.6%の増加となりました。メモリ半導体の世界的売上は、2015年は、非メモリ半導体市場と同様にスマートフォン等の電子機器の需要が伸びず、前年比2.6%の減少となりました。2016年は、夏場以降にスマートフォンや高速サーバー向けに需要が高まったものの、前年には及ばず、前年比0.6%の減少となりました。2017年は、データセンター関連の半導体に対する旺盛な需要により、各メモリ半導体メーカーの設備投資が積極的に行われたため、前年比61.5%の増加となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

· 世界経済の全体的な状況

· 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンおよびウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向

· パソコンおよびデータサーバ業界の需要

· テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

· 自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

· 半導体業界の動向

 2015年度の当社グループは、半導体・部品テストシステム事業では新製品投入により、悪化する市況の中でも顧客の投資意欲の喚起に努め、メカトロニクス関連事業やサービス他事業でも、成長分野における顧客獲得など、増収施策の遂行に注力しました。その結果、売上は前年比1.0%減少の162,111百万円となりました。損益面については、円安進行に伴い外貨建てコストが増加したことなどにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は6,694百万円となりました。前連結会計年度は、顧客の投資意欲が大きく改善したメモリ半導体関連の新規需要獲得を中心に、業績向上に向け取り組みました。その結果、売上は円高による減収影響を受けながらも前年比3.8%減少の155,916百万円となりました。損益面については、前期比減収となったものの、採算性の良い製品の売上高比率が前期に比べ上昇したこと、繰延税金資産の計上などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は14,201百万円となりました。当連結会計年度は、伸長著しいメモリ半導体や車載半導体向けの試験装置需要の取り込み、および半導体試験周辺機器の一層の拡販に努めました。また、足元の急峻な製品需要の伸びに追随すべく、生産能力の改善にも取り組みました。その結果、売上高は前年比32.9%増加の207,223百万円となりました。損益面については、採算性が良い製品の売上高比率の低下、ナノテクノロジー事業における棚卸資産評価損の計上などで売上総利益率は前期を下回ったものの、事業効率改善に努めたことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,103百万円となりました。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合や、半導体の供給過剰により半導体の価格水準が低下した場合、半導体メーカーの収益が悪化し、半導体メーカーの設備投資が抑制され、当社グループの財務状況と事業成績に悪影響を及ぼすこととなります。

b.当社グループが顧客の技術面の要求に応える新製品をタイムリーにかつ競争力ある価格で投入しなかった場合、既存の製品が陳腐化し、財務状況と業績に影響を及ぼします。

 当社グループは、技術変化が激しく、新製品・サービスの導入が頻繁であり、製品ライフサイクルが不定で予測しにくく、業界基準が常時進歩するいくつかの業界に向けて製品を販売しております。当社製品への将来の需要の大部分は、現在設置されているシステムでは十分に対応できない、新しい試験ニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると、予測しております。このような技術革新に対する顧客のニーズと市場環境に対応した低コスト化や高効率化の顧客のニーズは、以下のとおりであります。

· より高度なメモリ半導体、ロジックまたはアナログ回路を搭載した非メモリ半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV技術により、三次元に高集積化されたICや小型化、高性能化を実現するためにRF、ロジックおよびメモリチップを一つのパッケージに収めた複合ICに対応したソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション

· 顧客の後工程テストの技術革新によるテスト時間短縮に対応した、メカトロニクス製品

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション

· IC試作のターンアラウンドタイム(TAT)の短縮、および高付加価値デバイスの少量生産に対応したソリューション

   また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品への需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末およびデータサーバに対する需要の水準に、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要となると思われます。当社グループが新技術を用いた機器を試験、測定できるテストシステムを迅速に投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術面の要求に競争力のある価格で応えられない場合、または適合性のある製品をタイムリーに提供できない場合、競合先の製品または代替の技術ソリューションにより置き換えられる可能性があります。また、回復局面において業容に合わせた人員を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求した性能基準を満たした製品を受入れ可能な価格で提供できないと、その顧客による評価が大きく損なわれることになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

c.部品および部分品に関して独占的または少数のサプライヤーへの依存を原因に、製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面することになります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して、1社または少数のサプライヤーに依存しております。当社グループは、ほとんどのサプライヤーと長期間の供給契約を結んでおらず、ほとんどの部品および部分品を個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。半導体または特殊部品の市場においては、過去に需要に対し供給が不足した時期があります。また、大規模な災害や電力不足が発生した場合も部品が不足する可能性があります。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。当社グループは過去において、サプライヤーが当社グループの仕様に合った部品を提供できなかったこと、またはその他の部品不足を原因にスケジュールどおりに製品を出荷できなかったことがあります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全く無かった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

d.当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Xcerra Corporation、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Cohu, Inc.、TechWing Inc.、Hon. Technologies, Inc.およびセイコーエプソン株式会社等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Semes Co., Ltd.、SL-link Co., Ltd. および Techwing Inc.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、競合企業にコア技術部品の供給ベンダーが買収されたり、PCB製造技術が流出した場合、顧客のテストコストの削減や、製品の性能の実現が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマ・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などを予想しております。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益幅が縮小し、利益が減少する可能性があります。

e.当社グループは、策定した戦略や中長期の経営目標を達成できない可能性があります。

 中長期の経営目標等の達成は、当社グループや顧客に影響を及ぼす経済や市場の動向、競合状況、設備投資水準、当社グループ製品の需要と為替レートの変動を含む様々な内外の要因に影響されます。したがって、戦略や中長期の経営目標値(適時修正される)は、将来の業績予測として見なすべきではありません。中長期経営目標達成のための戦略の実行が成功する、その実行が意図する結果をもたらす、中長期経営目標またはそれ以外の目標(定量的、定性的を問わない、適時修正される。)が期限までに達成される、あるいはそれらの目標が将来経営陣によって変更されないという保証はありません。

f.当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約32%および当連結会計年度の同約37%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の敗退が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

g.当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

 当社グループが事業において受けている価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼしております。半導体の需要が数量ベースで増加している時においても、半導体価格の低下は進行しているため、半導体・部品テストシステム事業およびメカトロニクス関連製品に対する価格低下圧力が続いております。顧客である半導体メーカーや、ファウンドリーおよびテストハウスは、急激な半導体価格の低下が起きている時期に、生産能力を増強しようとしながらも、設備投資額を抑えようとします。デジタル・コンシューマー機器とパソコン市場に加え、スマートフォンおよびウエアラブルなどのモバイル機器市場、データサーバ市場および車載半導体市場における競争激化により価格が低下し、それにより当社グループの製品にも強い値下げ圧力がかかります。半導体価格の低下が止まらない場合、顧客は既存の設備の改造や使い方の工夫により、新品の設備投資を抑える可能性もあります。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

h.為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の93.2%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約78%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外国の通貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することは出来ないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(特に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による発注の取消しまたは先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、連結財務諸表の報告通貨である円に換算する必要のある外貨建ての金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

i.当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を上げられない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

j.当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

k.有形固定資産、のれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。したがって有形固定資産、のれんおよび無形資産は、資産、CGUまたはCGUグループの将来キャッシュ・フローの見込みによっては、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

l.主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにネットワークサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生します。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこの事業継続計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

m.当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は84.0%、米州は5.4%、欧州は3.7%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア諸国に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシアなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

· 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

· 貿易保護政策と輸出入の許認可制度

· 税法の改定による潜在的なマイナス影響

· 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

· 事業展開が広範囲に及ぶための人事・管理面の困難性

· 異なる知的財産保護制度

· 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

· テロ・戦争あるいは政治や経済の両方もしくはいずれかにおける外国との関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

· サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

· サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

n.当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

 当社グループは、設備投資を継続的に行っていますが、2012年度から2013年度にかけて、韓国の大手顧客への販売シェア拡大のため、韓国に新工場を建設し2013年5月に操業を開始しました。このような設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

o.当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

 当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する以下のような要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品の長期間にわたる販売プロセス

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品市場の比較的に少ない総販売台数

· 顧客側による発注キャンセルまたは設備投資の先送り

· 顧客の財務状況を原因とする売掛金回収の遅延や貸倒れおよび貸倒引当金の増加

· 製品保証費や棚卸資産評価損の増加

· 製品の性能または信頼性の事実上または風評上の低下、またはそのことによるブランド力の低下

p.利用している化学物質に対する規制が強化され、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。

q.第三者がその知的財産を当社グループによって侵害されたと主張する可能性があり、その結果高額な賠償、裁判費用またはライセンス料を支払わなければならなくなり、製品を販売できなくなる可能性があります。

 当社グループは意図しないまま第三者の知的財産権を侵害し、その結果侵害の責任を負わされる可能性があります。今日まで、当社グループに対して知的財産権侵害に関わる重大な申立てが行われたことはありません。しかし、特許またはその他の知的財産権の侵害をめぐる裁判は、多大な出費と時間を伴い、経営陣または重要な人材が事業運営に注力できなくなる可能性があります。当社グループが勝訴できなかった場合、多額の賠償金の支払、ライセンス料の支払、製品または工程の変更、製品の製造中止または工程の使用中止などを余儀なくされる可能性があります。ライセンスは非常に高価な場合もあり、または全く取得できない場合もあります。第三者の知的財産権を侵害しないように製品または工程に変更を加えることは、多大な出費を要する場合や、実行不可能な場合があります。

r.当社グループの知的財産権を侵害している疑いのある製品を入手し調査することは困難なため、知的財産権を保護できない可能性があります。

 当社グループは、その独自の権利を保護するために、各国で取得した特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権などに依存しております。例えば、デバイス・インタフェース市場において、模造品を販売するメーカーに対して特許権および実用新案権に基づく法的手段を講じ、場合によっては販売を差し止めてきました。しかし、知的財産権が侵害されていると思われる製品を入手し調査することは一般的に困難であります。そのため、保有している知的財産権によって自社の権利を十分に保護していると保証できるわけではありませんが、当社グループはその知的財産権を第三者の侵害から保護することに積極的であり、今後も引き続きその知的財産権を監視し、権利行使を行ってまいります。

s.労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや経営上の重要スタッフを採用し保持できない場合、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、多様な専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の採用および育成を継続的に行い、保持していくことが重要であると考えております。そのため、新卒採用のみならず経験者の通年採用、さらに人事諸制度の見直しや社員教育を通じて社員の定着と育成に努めております。しかしながら、必要な人材を継続的に採用し保持するための競争は激しく、計画どおりに進まなかった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

t.当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

u.当社グループは、製品の欠陥や製造物責任による顧客の信用の喪失などにより、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥が無いという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生、製品の障害発生および不適切な障害対応により、顧客の信用の喪失、顧客対応費用の増大、損害賠償請求があった場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業に関連するリスクは、以下のとおりです。

●当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

  当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

  世界的な半導体市場は、2014年は製品毎に多少の差はあるものの、前年比9.9%の増加となり、2011年以降で最大の成長率となりました。2015年は、スマートフォン等の電子機器の需要が鈍化したため、前年比0.2%の減少となりました。2016年は、スマートフォンの高機能化と販売台数の拡大などにより、前年比1.1%の増加となりました。非メモリ半導体の世界的売上は、2014年は、スマートフォンの世界的な普及や性能向上が進んだことにより、前年比7.6%の増加となりました。2015年は、スマートフォン等の電子機器の需要が伸びず、前年比0.4%の減少となりました。2016年は、スマートフォン向けの設備投資等が堅調だったため、前年比1.3%の増加となりました。メモリ半導体の世界的売上は、2014年は、パソコン用の半導体需要が好調であったことなどにより、前年比18.2%の増加となりました。2015年は、非メモリ半導体市場と同様にスマートフォン等の電子機器の需要が伸びず、前年比2.6%の減少となりました。2016年は、夏場以降にスマートフォンや高速サーバー向けに需要が高まったものの、前年には及ばず、前年比0.6%の減少となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

· 世界経済の全体的な状況

· 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末の需要の動向

· パソコンおよびデータサーバ業界の需要

· 薄型テレビ、DVD/Blu-rayディスクレコーダーおよび携帯音楽プレーヤー、電子書籍等のモバイルツールを含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

· 自動車業界の需要

· 半導体業界の動向

 2014年度の当社グループの売上は、半導体製造装置において、特に需要が伸びた非メモリ半導体用テストシステムの販売促進に努めるとともに、他の事業においても顧客ベースの拡大など収益基盤の強化に取り組んだ結果、売上は163,803百万円と大幅に増加しました。損益面については、前期比での増収、採算性の高い製品の売上比率向上、グループを挙げた経費節減などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益が、16,753百万円と黒字に転換しました。前連結会計年度は、半導体・部品テストシステム事業では新製品投入により、悪化する市況の中でも顧客の投資意欲の喚起に努めました。また、メカトロニクス関連事業やサービス他事業でも、成長分野における顧客獲得など、増収施策の遂行に注力しました。その結果、売上は前年比1.0%減少の162,111百万円となりました。損益面については、円安進行に伴い外貨建てコストが増加したことなどにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は6,694百万円となりました。当連結会計年度は、顧客の投資意欲が大きく改善したメモリ半導体関連の新規需要獲得を中心に、業績向上に向け取り組みました。その結果、売上は円高による減収影響を受けながらも前年比3.8%減少の155,916百万円となりました。損益面については、前期比減収となったものの、採算性の良い製品の売上高比率が前期に比べ上昇したこと、繰延税金資産の計上などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は14,201百万円となりました。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、今後半導体業界の景況がどのように推移していくかは予想できませんが、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。近年の半導体価格はDRAMなど底を打ち、反転していますが、半導体の供給過剰により、半導体の価格水準が低下した場合、半導体メーカーの収益が悪化し、半導体メーカーの設備投資が抑制され、当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。

●当社グループが顧客の技術面の要求に応える新製品をタイムリーにかつ競争力ある価格で投入しなかった場合、既存の製品が陳腐化し、財務状況と業績に影響を及ぼします。

 当社グループは、技術変化が激しく、新製品・サービスの導入が頻繁であり、製品ライフサイクルが不定で予測しにくく、業界基準が常時進歩するいくつかの業界に向けて製品を販売しております。当社製品への将来の需要の大部分は、現在設置されているシステムでは十分に対応できない、新しい試験ニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると、予測しております。このような技術革新に対する顧客のニーズと市場環境に対応した低コスト化や高効率化の顧客のニーズは、以下のとおりであります。

· より高度なメモリ半導体、ロジックまたはアナログ回路を搭載した非メモリ半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV技術により、三次元に高集積化されたICや小型化、高性能化を実現するためにRF、ロジックおよびメモリチップを一つのパッケージに収めた複合ICに対応したソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベル試験のソリューション

· 顧客の後工程テストの技術革新によるテスト時間短縮に対応した、メカトロニクス製品

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端のフォトマスクおよびウエハの計測および観察に対応したソリューション

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品への需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、さらにスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末およびデータサーバに対する需要の水準に、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要となると思われます。当社グループが新技術を用いた機器を試験、測定できるテストシステムを迅速に投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術面の要求に競争力のある価格で応えられない場合、または適合性のある製品をタイムリーに提供できない場合、競合先の製品または代替の技術ソリューションにより置き換えられる可能性があります。また、回復局面において業容に合わせた人員を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求した性能基準を満たした製品を受入れ可能な価格で提供できないと、その顧客による評価が大きく損なわれることになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

●部品および部分品に関して独占的または少数のサプライヤーへの依存を原因に、製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面することになります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して、1社または少数のサプライヤーに依存しております。当社グループは、ほとんどのサプライヤーと長期間の供給契約を結んでおらず、ほとんどの部品および部分品を個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。半導体または特殊部品の市場においては、過去に需要に対し供給が不足した時期があります。また、大規模な災害や電力不足が発生した場合も部品が不足する可能性があります。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。当社グループは過去において、サプライヤーが当社グループの仕様に合った部品を提供できなかったこと、またはその他の部品不足を原因にスケジュールどおりに製品を出荷できなかったことがあります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全く無かった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Xcerra Corporation、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Delta Design, Inc.、TechWing Inc.およびセイコーエプソン株式会社等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Semes Co., Ltd.、SL-link Co., Ltd. および Techwing Inc.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、競合企業にコア技術部品の供給ベンダーが買収されたり、PCB製造技術が流出した場合、顧客のテストコストの削減や、製品の性能の実現が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマ・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などを予想しております。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益幅が縮小し、利益が減少する可能性があります。

●当社グループは、策定した戦略や中期計画の目標を達成できない可能性があります。

 中期計画等における経営目標の達成は、当社グループや顧客に影響を及ぼす経済や市場の動向、競合状況、設備投資水準、当社グループ製品の需要と為替レートの変動を含む様々な内外の要因に影響されます。したがって、戦略や中期の経営目標値(適時修正される)は、将来の業績予測として見なすべきではありません。中期経営目標達成のための戦略とその実行が成功する、戦略の実行が意図する結果をもたらす、中期経営目標またはそれ以外の目標(定量的、定性的を問わない、適時修正される。)が期限までに達成される、あるいはそれらの目標が将来経営陣によって変更されないという保証はありません。

●当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約38%および当連結会計年度の同約32%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の敗退が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

 当社グループが事業において受けている価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼしております。半導体の需要が数量ベースで増加している時においても、半導体価格の低下は進行しているため、半導体・部品テストシステム事業およびメカトロニクス関連製品に対する価格低下圧力が続いております。顧客である半導体メーカーや、ファウンドリーおよびテストハウスは、急激な半導体価格の低下が起きている時期に、生産能力を増強しようとしながらも、設備投資額を抑えようとします。デジタル・コンシューマー機器とパソコン市場に加え、スマートフォンおよびウエアラブルなどのモバイル機器市場およびデータサーバ市場における競争激化により価格が低下し、それにより当社グループの製品にも強い値下げ圧力がかかります。半導体価格の低下が止まらない場合、顧客は既存の設備の改造や使い方の工夫により、新品の設備投資を抑える可能性もあります。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の88.2%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約72%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外国の通貨(主に米ドルであるが、僅かながら他の外貨を含む)に対して、円高に転じた場合、製品価格は米ドルまたはかかるその他の外貨ベースでは上昇し、かかる国での売上に打撃を与えます。

 なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(特に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による発注の取消しまたは先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、連結財務諸表の報告通貨である円に換算する必要のある外貨建ての金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を上げられない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術のビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

●当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる小規模企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

●有形固定資産およびのれんは、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 有形固定資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、CGUまたはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識します。したがって有形固定資産やのれんは、資産、CGUまたはCGUグループの将来キャッシュ・フローの見込みによっては、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにネットワークサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生します。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこの事業継続計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

●当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は73.2%、米州は9.5%、欧州は5.5%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア諸国に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシアなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

· 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

· 貿易保護政策と輸出入の許認可制度

· 税法の改定による潜在的なマイナス影響

· 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

· 事業展開が広範囲に及ぶための人事・管理面の困難性

· 異なる知的財産保護制度

· 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

· テロ・戦争あるいは政治や経済の両方もしくはいずれかにおける外国との関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

· サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

· サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

●当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

 当社グループは、設備投資を継続的に行っていますが、2012年度から2013年度にかけて、韓国の大手顧客への販売シェア拡大のため、韓国に新工場を建設し2013年5月に操業を開始しました。このような設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

 当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する以下のような要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品の長期間にわたる販売プロセス

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品市場の比較的に少ない総販売台数

· 顧客側による発注キャンセルまたは設備投資の先送り

· 顧客の財務状況を原因とする売掛金回収の遅延や貸倒れおよび貸倒引当金の増加

· 製品保証費や棚卸資産評価損に必要な引当金額の増加

· 製品の性能または信頼性の事実上または風評上の低下、またはそのことによるブランド力の低下

●利用している化学物質に対する規制が強化され、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。

●第三者がその知的財産を当社グループによって侵害されたと主張する可能性があり、その結果高額な賠償、裁判費用またはライセンス料を支払わなければならなくなり、製品を販売できなくなる可能性があります。

 当社グループは意図しないまま第三者の知的財産権を侵害し、その結果侵害の責任を負わされる可能性があります。今日まで、当社グループに対して知的財産権侵害に関わる重大な申立てが行われたことはありません。しかし、特許またはその他の知的財産権の侵害をめぐる裁判は、多大な出費と時間を伴い、経営陣または重要な人材が事業運営に注力できなくなる可能性があります。当社グループが勝訴できなかった場合、多額の賠償金の支払、ライセンス料の支払、製品または工程の変更、製品の製造中止または工程の使用中止などを余儀なくされる可能性があります。ライセンスは非常に高価な場合もあり、または全く取得できない場合もあります。第三者の知的財産権を侵害しないように製品または工程に変更を加えることは、多大な出費を要する場合や、実行不可能な場合があります。

●当社グループの知的財産権を侵害している疑いのある製品を入手し調査することは困難なため、知的財産権を保護できない可能性があります。

 当社グループは、その独自の権利を保護するために、各国で取得した特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権などに依存しております。例えば、デバイス・インタフェース市場において、模造品を販売するメーカーに対して特許権および実用新案権に基づく法的手段を講じ、場合によっては販売を差し止めてきました。しかし、知的財産権が侵害されていると思われる製品を入手し調査することは一般的に困難であります。そのため、保有している知的財産権によって自社の権利を十分に保護していると保証できるわけではありませんが、当社グループはその知的財産権を第三者の侵害から保護することに積極的であり、今後も引き続きその知的財産権を監視し、権利行使を行ってまいります。

●技術労働力市場は競争が激しいため、当社グループが技術者やその他の重要スタッフを採用し保持できない場合は、その事業に支障を来します。

 当社グループの今後の成功は、その研究開発部門およびカスタマ・サービス/サポート部門で適任のエンジニアを採用し保持できるかにもよります。これらの人材を十分に採用し保持できなかった場合、事業の維持と拡大が不可能になります。現在の役員や従業員の雇用を維持し、将来に必要と思われる追加の人材を採用するためには、賃金制度やその他の人事諸制度の見直しが必要となってくる可能性もあります。

●当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループは、機密データを含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会および法務部が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループは、製品の欠陥や製造物責任による顧客の信用の喪失などにより、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、ISO9000など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥が無いという保証はありません。一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。従って部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生、製品の障害発生および不適切な障害対応により、顧客の信用の喪失、顧客対応費用の増大、損害賠償請求があった場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業に関連するリスクは、以下のとおりです。

●当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

  当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。かかる需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。

  世界的な半導体市場は、2014年は製品毎に多少の差はあるものの、前年比9.9%の増加となり、2011年以降で最大の成長率となりました。2015年は、スマートフォン等の電子機器の需要が鈍化したため、前年比0.2%の減少となりました。非メモリ半導体の世界的売上は、2014年は、スマートフォンの世界的な普及や性能向上が進んだことにより、前年比7.6%の増加となりました。2015年は、スマートフォン等の電子機器の需要が伸びず、前年比0.4%の減少となりました。メモリ半導体の世界的売上は、2014年は、パソコン用の半導体需要が好調であったことなどにより、前年比18.2%の増加となりました。2015年は、非メモリ半導体市場と同様にスマートフォン等の電子機器の需要が伸びず、前年比2.6%の減少となりました。

 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。

· 世界経済の全体的な状況

· 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末の需要の動向

· パソコンおよびデータサーバ業界の需要

· 薄型テレビ、DVD/Blu-rayディスクレコーダーおよび携帯音楽プレーヤー、電子書籍等のモバイルツールを含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要

· 自動車業界の需要

· 半導体業界の動向

 前連結会計年度の当社グループの売上は、半導体製造装置において、特に需要が伸びた非メモリ半導体用テストシステムの販売促進に努めるとともに、他の事業においても顧客ベースの拡大など収益基盤の強化に取り組んだ結果、売上は163,803百万円と大幅に増加しました。損益面については、前期比での増収、採算性の高い製品の売上比率向上、グループを挙げた経費節減などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益が、16,753百万円と黒字に転換しました。当連結会計年度は、半導体・部品テストシステム事業では新製品投入により、悪化する市況の中でも顧客の投資意欲の喚起に努めました。また、メカトロニクス関連事業やサービス他事業でも、成長分野における顧客獲得など、増収施策の遂行に注力しました。その結果、売上は前年比1.0%減少の162,111百万円となりました。損益面については、円安進行に伴い外貨建てコストが増加したことなどにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は6,694百万円でした。

 以上のように当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、今後半導体業界の景況がどのように推移していくかは予想できませんが、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。近年の半導体価格はDRAMなど一部底入れの兆しはありますが、半導体の供給過剰により、半導体の価格水準が低下した場合、半導体メーカーの収益が悪化し、半導体メーカーの設備投資が抑制され、当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。

●当社グループが顧客の技術面の要求に応える新製品をタイムリーにかつ競争力ある価格で投入しなかった場合、既存の製品が陳腐化し、財務状況と業績に影響を及ぼします。

 当社グループは、技術変化が激しく、新製品・サービスの導入が頻繁であり、製品ライフサイクルが不定で予測しにくく、業界基準が常時進歩するいくつかの業界に向けて製品を販売しております。当社製品への将来の需要の大部分は、現在設置されているシステムでは十分に対応できない、新しい試験ニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると、予測しております。このような技術革新に対する顧客のニーズと市場環境に対応した低コスト化や高効率化の顧客のニーズは、以下のとおりであります。

· より高度なメモリ半導体、ロジックまたはアナログ回路を搭載した非メモリ半導体に対応したソリューション

· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション

· TSV技術により、三次元に高集積化されたICや小型化、高性能化を実現するためにRF、ロジックおよびメモリチップを一つのパッケージに収めた複合ICに対応したソリューション

· より高速に、正確に、安定的にデバイスを搬送するメカトロニクス関連製品

· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション

· 最終製品の性能を保証するシステムレベル試験のソリューション

· 顧客の後工程テストの技術革新によるテスト時間短縮に対応した、メカトロニクス製品

· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化

· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション

· 最先端のフォトマスクおよびウエハの計測および観察に対応したソリューション

 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品への需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、さらにスマートフォンおよびウエアラブルなどの通信端末およびデータサーバに対する需要の水準に、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要となると思われます。当社グループが新技術を用いた機器を試験、測定できるテストシステムを迅速に投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。

 当社グループが顧客の技術面の要求に競争力のある価格で応えられない場合、または適合性のある製品をタイムリーに提供できない場合、競合先の製品または代替の技術ソリューションにより置き換えられる可能性があります。また、回復局面において業容に合わせた人員を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求した性能基準を満たした製品を受入れ可能な価格で提供できないと、その顧客による評価が大きく損なわれることになります。かかる評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

●部品および部分品に関して独占的または少数のサプライヤーへの依存を原因に、製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面することになります。さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して、1社または少数のサプライヤーに依存しております。当社グループは、ほとんどのサプライヤーと長期間の供給契約を結んでおらず、ほとんどの部品および部分品を個別の発注で購入しております。サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等により既に採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。これまでサプライヤーは、製造ラインおよび人員削減による生産能力の適正化を実施してきました。そのため、今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、回復局面を活かすために人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。半導体または特殊部品の市場においては、過去に需要に対し供給が不足した時期があります。また、大規模な災害や電力不足が発生した場合も部品が不足する可能性があります。サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。当社グループは過去において、サプライヤーが当社グループの仕様に合った部品を提供できなかったこと、またはその他の部品不足を原因にスケジュールどおりに製品を出荷できなかったことがあります。また、経済環境の悪化によりサプライヤーの財政状態が悪化した場合や製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全く無かった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果となる可能性があります。このような機会損失は、当社グループの将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Xcerra Corporation、UniTest Inc. および EXICON Ltd.等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Delta Design, Inc.、TechWing Inc.およびセイコーエプソン株式会社等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Semes Co., Ltd.、SL-link Co., Ltd. および Techwing Inc.等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金その他の資源を有しております。

 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、競合企業にコア技術部品の供給ベンダーが買収されたり、PCB製造技術が流出した場合、顧客のテストコストの削減や、製品の性能の実現が困難になります。

 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマ・サービス/サポートの提供を増強し続けたり、新規参入企業による低価格テスタの投入などを予想しております。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益幅が縮小し、利益が減少する可能性があります。

●当社グループは、策定した戦略や中期計画の目標を達成できない可能性があります。

 中期計画等における経営目標の達成は、当社グループや顧客に影響を及ぼす経済や市場の動向、競合状況、設備投資水準、当社グループ製品の需要と為替レートの変動を含む様々な内外の要因に影響されます。したがって、戦略や中期の経営目標値(適時修正される)は、将来の業績予測として見なすべきではありません。中期経営目標達成のための戦略とその実行が成功する、戦略の実行が意図する結果をもたらす、中期経営目標またはそれ以外の目標(定量的、定性的を問わない、適時修正される。)が期限までに達成される、あるいはそれらの目標が将来経営陣によって変更されないという保証はありません。

●当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財務状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約41%および当連結会計年度の同約38%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の敗退が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

 当社グループが事業において受けている価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼしております。半導体の需要が数量ベースで増加している時においても、半導体価格の低下は進行しているため、半導体・部品テストシステム事業およびメカトロニクス関連製品に対する価格低下圧力が続いております。顧客である半導体メーカーや半導体後工程ファウンドリー(OSAT)およびテストハウスは、急激な半導体価格の低下が起きている時期に、生産能力を増強しようとしながらも、設備投資額を抑えようとします。デジタル・コンシューマー機器とパソコン市場に加え、スマートフォンおよびウエアラブルなどのモバイル機器市場およびデータサーバ市場における競争激化により価格が低下し、それにより当社グループの製品にも強い値下げ圧力がかかります。半導体価格の低下が止まらない場合、顧客は既存の設備の改造や使い方の工夫により、新品の設備投資を抑える可能性もあります。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

●為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の92.0%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約79%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外国の通貨(主に米ドルであるが、僅かながら他の外貨を含む)に対して、円高に転じた場合、製品価格は米ドルまたはかかるその他の外貨ベースでは上昇し、かかる国での売上に打撃を与えます。

 なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、円と外貨(特に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による発注の取消しまたは先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。

 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、連結財務諸表の報告通貨である円に換算する必要のある外貨建ての金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を上げられない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術のビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。

●当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる小規模企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。

●有形固定資産およびのれんは、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 有形固定資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。

 減損損失は、資産、CGUまたはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識します。したがって有形固定資産やのれんは、資産、CGUまたはCGUグループの将来キャッシュ・フローの見込みによっては、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県、埼玉県および宮城県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにネットワークサーバーが設置されております。

 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生します。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。

 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し実施しております。しかしこの事業継続計画が有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。

●当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は70.0%、米州は18.2%、欧州は3.8%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア諸国に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシアなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

· 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク

· 貿易保護政策と輸出入の許認可制度

· 税法の改定による潜在的なマイナス影響

· 移転価格税制等の国際税務に関するリスク

· 事業展開が広範囲に及ぶための人事・管理面の困難性

· 異なる知的財産保護制度

· 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性

· テロ・戦争あるいは政治や経済の両方もしくはいずれかにおける外国との関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク

· サプライヤーや生産工場が、機械加工および組み立てのインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク

· サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク

●当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

 当社グループは、設備投資を継続的に行っていますが、2012年度から2013年度にかけて、韓国の大手顧客への販売シェア拡大のため、韓国に新工場を建設し2013年5月に操業を開始しました。このような設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

 当社グループの財務状況および事業成績は、その営業・販売力およびブランド力に関係する以下のような要因からマイナスの影響を受ける可能性があります。

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品の長期間にわたる販売プロセス

· 半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス製品市場の比較的に少ない総販売台数

· 顧客側による発注キャンセルまたは設備投資の先送り

· 顧客の財務状況を原因とする売掛金回収の遅延や貸倒れおよび貸倒引当金の増加

· 製品保証費や棚卸資産評価損に必要な引当金額の増加

· 製品の性能または信頼性の事実上または風評上の低下、またはそのことによるブランド力の低下

●利用している化学物質に対する規制が強化され、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

 当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けに鉛を含むはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、かかる変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。

●第三者がその知的財産を当社グループによって侵害されたと主張する可能性があり、その結果高額な賠償、裁判費用またはライセンス料を支払わなければならなくなり、製品を販売できなくなる可能性があります。

 当社グループは意図しないまま第三者の知的財産権を侵害し、その結果侵害の責任を負わされる可能性があります。今日まで、当社グループに対して知的財産権侵害に関わる重大な申立てが行われたことはありません。しかし、特許またはその他の知的財産権の侵害をめぐる裁判は、多大な出費と時間を伴い、経営陣または重要な人材が事業運営に注力できなくなる可能性があります。当社グループが勝訴できなかった場合、多額の賠償金の支払、ライセンス料の支払、製品または工程の変更、製品の製造中止または工程の使用中止などを余儀なくされる可能性があります。ライセンスは非常に高価な場合もあり、または全く取得できない場合もあります。第三者の知的財産権を侵害しないように製品または工程に変更を加えることは、多大な出費を要する場合や、実行不可能な場合があります。

●当社グループの知的財産権を侵害している疑いのある製品を入手し調査することは困難なため、知的財産権を保護できない可能性があります。

 当社グループは、その独自の権利を保護するために、各国で取得した特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権などに依存しております。例えば、デバイス・インタフェース市場において、模造品を販売するメーカーに対して特許権および実用新案権に基づく法的手段を講じ、場合によっては販売を差し止めてきました。しかし、知的財産権が侵害されていると思われる製品を入手し調査することは一般的に困難であります。そのため、保有している知的財産権によって自社の権利を十分に保護していると保証できるわけではありませんが、当社グループはその知的財産権を第三者の侵害から保護することに積極的であり、今後も引き続きその知的財産権を監視し、権利行使を行ってまいります。

●技術労働力市場は競争が激しいため、当社グループが技術者やその他の重要スタッフを採用し保持できない場合は、その事業に支障を来します。

 当社グループの今後の成功は、その研究開発部門およびカスタマ・サービス/サポート部門で適任のエンジニアを採用し保持できるかにもよります。これらの人材を十分に採用し保持できなかった場合、事業の維持と拡大が不可能になります。現在の役員や従業員の雇用を維持し、将来に必要と思われる追加の人材を採用するためには、賃金制度やその他の人事諸制度の見直しが必要となってくる可能性もあります。

●当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受けたり妨害されたり停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループは、機密データを含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。当社グループは情報セキュリティ委員会および法務部が、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

●当社グループは、製品の欠陥や製造物責任による顧客の信用の喪失などにより、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、ISO9000など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥が無いという保証はありません。また、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。製品の欠陥により大規模な事故が発生した場合や、当社の製品に障害が発生したり、障害対応が不適切だったことにより、顧客の信用を失ったり、顧客対応費用が増大したり、損害賠償請求を受けたりする場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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