株式投資のしくみ:株の売買と証券取引所の役割
株の売買:証券取引所の役割
株(株式)は企業が発行するものですが、投資家は企業と直接売買するわけではありません。通常、株の売買は「証券取引所(株式市場)」という場所で行われています。
企業が発行した株は、証券取引所で投資家同士が売買する仕組みになっています。
上場している株は証券取引所で売買されますが、投資家が直接取引所に行って株を買うことはできません。なぜなら、証券取引所で実際に売買を行えるのは、取引参加者資格を持つ証券会社などの金融機関だけだからです。
そのため、投資家が株を売買するには、証券会社を通じて取引を行う必要があります。株を買いたいときも、売りたいときも、証券会社が仲介役となり、取引を成立させる仕組みになっています。
証券取引所
日本には 東京・名古屋・札幌・福岡の4つの証券取引所があります。
| 証券取引所 | 市場区分 | 上場企業数 |
|---|---|---|
| 東京証券取引所 (東証) | プライム | 1635社 |
| スタンダード | 1579社 | |
| グロース(新興市場) | 608社 | |
| Tokyo Pro Market | 137社 | |
| 名古屋証券取引所 (名証) | プレミア | 170社 |
| メイン | 106社 | |
| ネクスト(新興市場) | 21社 | |
| 札幌証券取引所 (札証) | 市場部 | 62社 |
| アンビシャス(新興市場) | 18社 | |
| 福岡証券取引所 (福証) | 市場部 | 87社 |
| Q-Board(新興市場) | 21社 |
(東証・名証・札証:2025年3月11日現在、福証:2025年2月28日現在)
企業はそれぞれの取引所の基準を満たすことで上場できます。最も審査が厳しいのは 東証プライム市場 で、大企業やグローバル企業が多く上場しています。
各取引所には、大企業向けの市場だけでなく、成長企業を支援する新興市場もあります。例えば、東京証券取引所の「グロース市場」や福岡証券取引所の「Q-Board」などがあり、スタートアップ企業が上場しやすい環境が整っています。
通常、企業は1つの市場にのみ上場しますが、まれに複数の市場に上場するケースもあります。例えば日本製鉄は、東証をはじめ名証・札証・福証にも上場しており、それぞれの市場で売買が行われています。
誰でも買える株と買えない株
世の中の株には、自由に売買できる株と、できない株があります。
上場している株は、証券取引所で投資家が自由に売買できます。上場していない株は証券取引所では売買できません。
- 上場株
- 未上場株(非上場株)
証券取引所で取引されるため、誰でも証券会社を通じて購入できます。一般の投資家が自由に株を売買できる環境が整っています。株価は市場の需給に基づき、リアルタイムで変動します。
証券取引所で取引されないため、売買には制限があります。取引は限られた投資家同士で行われることが多く、個人投資家が購入する機会は少ないです。未上場株はプライベート・エクイティやベンチャーキャピタル、株主間取引などで取引されることが一般的です。
未上場株の売買には企業の許可や特定の契約が必要な場合が多く、取引は透明性が低いことが特徴です。そのため、一般的な投資家が未上場株を手に入れるのは非常に難しく、投資先としては慎重な判断が求められます。
まとめ
- 株の売買は「証券取引所(株式市場)」で行われる
- 投資家が株を売買するには、証券会社を通じて取引を行う必要がある
- 株には、自由に売買できるものと、制限があるものがある。一般の投資家が取引できるのは上場株。




