後工程

ポリッシング

ポリッシング工程の概要
ポリッシング工程の概要
ポリッシング(ストレスリリーフ)は「半導体の後工程において、グラインディング後のウェーハ裏面を研磨し、研削で生じたダメージ層を除去する工程」です。薄く削ったウェーハ裏面の微細な傷を取り除き、チップの強度を確保します。

グラインディングで薄くしたウェーハの裏面には、砥石で削った際の微細な傷や、結晶が乱れた層(ダメージ層)が残ります。これを放置すると、チップの強度が下がるため、必要に応じてダメージ層を取り除きます。

ダメージ除去が必要な理由

ダメージ層の除去の目的
ダメージ層の除去の目的
  • チップの強度(抗折強度)の確保

    研削でできた微細な傷が、割れの起点になるのを防ぐ。ウェーハが薄いほど割れやすいため、ダメージ層の除去が重要になります。

  • ウェーハの反り・割れの抑制

    研削ダメージ層には残留応力や微細クラックが含まれており、ウェーハ内部に不均一な応力分布を生む。薄くなるほど剛性が低下するため、この応力差が反りや割れとして現れやすくなります。ダメージ層を除去することで、搬送・ダイシング工程での歩留まりが上がります。

  • 極薄チップへの対応力向上

    スマートフォン向けや積層メモリなど、チップの薄型化が進むほど上記2つの影響はより顕著になります。ダメージ層の除去は、極薄パッケージや多段積層を実現するうえで欠かせない工程です。

ポリッシングの流れ

ポリッシングの前後の工程
ポリッシングの前後の工程

ポリッシングは、グラインディングの直後に、必要に応じて行われます。デバイスや会社によっては、この工程を省略します。

  • グラインディング(直前の工程)

    ウェーハ裏面を砥石で研削し、所定の厚さまで薄くする。この時点で、裏面に研削のダメージ層が残ります。

  • ポリッシング

    ウェーハ裏面を研磨し、ダメージ層を除去する。回路面は、BGテープで保護されたままです。

  • 洗浄

    研磨で出た削りくずなどを洗い流す。

  • マウント

    ウェーハ裏面をダイシングテープに貼り付ける。この時点でBGテープとダイシングテープの両方がウェーハを支持している状態になります。

  • BGテープ剥離(直後の工程)

    ダイシングテープで支持された状態でBGテープを剥離する。極薄ウェーハでは、テープによる支持が途切れないよう、この順序が重要です。この後、ダイシングで個々のチップに切り分けます。

ダメージ除去の方法

ダメージ層の除去(ストレスリリーフ)には、研磨のほか、エッチングを用いる方法もあります。どの方法を使うかは、デバイスや装置構成によって異なります。

ダメージ層の除去・ストレスリリーフの手法
ダメージ層の除去・ストレスリリーフの手法
  • ドライポリッシュ

    砥粒を含む研磨用のホイールを回転させ、スラリー(研磨液)を使わずにウェーハ裏面を磨く方法。グラインダに続けて処理できる装置構成もあります。

  • エッチング

    薬液やプラズマで、裏面の表層を化学的に除去する方法。ウェーハに機械的な力をかけずに、ダメージ層を取り除けます。

関連する装置・部材

ポリッシングには、次の装置・部材が使われます。

ポリッシング工程で使用する装置・部材(出典:一部、ディスコの資料を参考に筆者作成)
ポリッシング工程で使用する装置・部材(出典:一部、ディスコの資料を参考に筆者作成)
  • ポリッシャ(研磨装置)

    研削後のウェーハを研磨し、ダメージ層を除去するための装置。

  • ポリッシングホイール

    研磨に用いるホイール。消耗品です。

  • BGテープ

    グラインディング時に貼り付けられ、ポリッシング中も回路面を保護し続ける粘着テープ。

なお、前工程で膜の平坦化に用いる研磨装置は、一般に「CMP装置」と呼ばれ、区別されます。

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