
グラインディングで薄くしたウェーハの裏面には、砥石で削った際の微細な傷や、結晶が乱れた層(ダメージ層)が残ります。これを放置すると、チップの強度が下がるため、必要に応じてダメージ層を取り除きます。

研削でできた微細な傷が、割れの起点になるのを防ぐ。ウェーハが薄いほど割れやすいため、ダメージ層の除去が重要になります。
研削ダメージ層には残留応力や微細クラックが含まれており、ウェーハ内部に不均一な応力分布を生む。薄くなるほど剛性が低下するため、この応力差が反りや割れとして現れやすくなります。ダメージ層を除去することで、搬送・ダイシング工程での歩留まりが上がります。
スマートフォン向けや積層メモリなど、チップの薄型化が進むほど上記2つの影響はより顕著になります。ダメージ層の除去は、極薄パッケージや多段積層を実現するうえで欠かせない工程です。

ポリッシングは、グラインディングの直後に、必要に応じて行われます。デバイスや会社によっては、この工程を省略します。
ウェーハ裏面を砥石で研削し、所定の厚さまで薄くする。この時点で、裏面に研削のダメージ層が残ります。
ウェーハ裏面を研磨し、ダメージ層を除去する。回路面は、BGテープで保護されたままです。
研磨で出た削りくずなどを洗い流す。
ウェーハ裏面をダイシングテープに貼り付ける。この時点でBGテープとダイシングテープの両方がウェーハを支持している状態になります。
ダイシングテープで支持された状態でBGテープを剥離する。極薄ウェーハでは、テープによる支持が途切れないよう、この順序が重要です。この後、ダイシングで個々のチップに切り分けます。
ダメージ層の除去(ストレスリリーフ)には、研磨のほか、エッチングを用いる方法もあります。どの方法を使うかは、デバイスや装置構成によって異なります。

砥粒を含む研磨用のホイールを回転させ、スラリー(研磨液)を使わずにウェーハ裏面を磨く方法。グラインダに続けて処理できる装置構成もあります。
薬液やプラズマで、裏面の表層を化学的に除去する方法。ウェーハに機械的な力をかけずに、ダメージ層を取り除けます。
ポリッシングには、次の装置・部材が使われます。

研削後のウェーハを研磨し、ダメージ層を除去するための装置。
研磨に用いるホイール。消耗品です。
グラインディング時に貼り付けられ、ポリッシング中も回路面を保護し続ける粘着テープ。
なお、前工程で膜の平坦化に用いる研磨装置は、一般に「CMP装置」と呼ばれ、区別されます。