前工程

熱処理

熱処理工程の概要
熱処理工程の概要
熱処理工程(heat treatment)は「半導体の前工程(ウェハ処理工程)において、ウェーハを高温で加熱し、膜の形成や不純物の制御、結晶性の回復を行う工程」です。酸化・拡散・アニールなどがあり、トランジスタの電気的特性や膜質を左右します。

たとえば、イオン注入工程では不純物をウェーハに打ち込むため、シリコンの結晶が乱れ、そのままでは不純物も電気的に働きません。そこで注入後に熱処理(アニール)を行い、結晶構造を回復させるとともに、不純物を活性化させます。

主な熱処理の種類

熱処理には、目的に応じて酸化・拡散・アニールがあります。

酸化・拡散・アニールの概要
酸化・拡散・アニールの概要
  • 酸化(Oxidation)

    高温の酸素や水蒸気の雰囲気で、シリコン表面を酸化させ、酸化膜(SiO₂)を形成する手法。ゲート絶縁膜や素子分離のための酸化膜の形成に用いられます。

  • 拡散(Diffusion)

    高温下で不純物(ドーパント)をシリコン中に拡散させ、導電型や抵抗を決める領域を形成する手法。不純物の導入そのものは、現在はイオン注入が主流で、拡散は注入後の不純物の再分布や深さの調整などに用いられます。

  • アニール(Anneal)

    イオン注入で乱れた結晶構造を回復させ、注入した不純物を活性化する手法。膜の緻密化や、金属膜とシリコンの合金化(シリサイド形成)などにも用いられます。

バッチ式と枚葉式

熱処理を行う装置には、多数のウェーハを一括で処理する「バッチ式」と、1枚ずつ処理する「枚葉式(RTP)」があります。

バッチ式と枚葉式(RTP)の違い
バッチ式と枚葉式(RTP)の違い
  • バッチ式(縦型炉・横型炉)

    石英管内で、多数のウェーハを一括して加熱する方式。横型炉はウェーハを水平方向に挿入する従来型、縦型炉はウェーハを垂直方向に積んで処理する方式です。縦型炉は設置面積が小さく、温度の均一性や自動搬送に優れるため、300mmウェーハの主流になっています。酸化膜の形成や不純物の拡散に用いられます。

  • 枚葉式(RTP / Rapid Thermal Processing)

    ランプ加熱などで、ウェーハ1枚を数秒~数十秒で急加熱・急冷する方式。熱をかける時間が短いため、不純物の余計な拡散を抑えられ、イオン注入後の活性化アニールなど、微細化が進む先端プロセスで広く用いられます。

この工程に関わる企業を、サプライチェーン・マップで探す